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服部幸男

「プロセスへの誓い」に高い精神性

「ベストを尽くします」。服部幸男が発信し続ける宣誓に込められているものは何だろうか。果たしてベストとは?… 「人生には、自分で決められることもあれば決められないこともある。自己の力が及ばない世界の中で、与えられた生を、与えられた立場を全うしたい」。そう語っているような気がしてならない。 以前、ストレートに聞いたことがあるが、服部はその問いに静かにほほ笑んだ。「ベスト」という言葉に結果への約束は含まれていない。プロセスへの誓いなのだ。 刻々変化する環境や条件、そして自己の能力や感性。それら移り変わるものの中で、異なる道程に真摯(しんし)に向き合う姿勢がそこにある。 「いつも今が始まり。一瞬一瞬を誠実に生きたい」という精神性の根底に、重ねる年齢が含まれるのは当然のことだ。その存在は強いとか弱いとかを超え、優れてかっこいい。

艇王、王者と共に世代交代を促した革命児

「水の上では先輩も後輩もない!」これはかつて服部が出演していたCMでのセリフ。 まさにこの言葉通りの活躍で植木通彦、松井繁らと共にベテラン勢(野中和夫、中道善博、安岐真人ら)を圧倒、世代交代の旗頭として一世を風靡(ふうび)した。 21歳9か月でのSG初優勝は今村豊の記録を大幅に更新しての史上最年少記録で、いまだ破られていないし、今後もまず塗り替えられることはない偉業。 1997年のグランプリ制覇を最後に、もう20年もSG制覇から遠ざかっているとはいえ、2006年のグランプリシリーズから2012年のオーシャンカップまで優出した SG戦では4連続準優勝の記録も残し、さらに今年で13年連続出場と相性抜群のオールスターでは2013年から4年連続優出した。 圧倒的な存在感に陰りは見られない。

モンキー世代の革命児

『無敵の服部~、世界を1人占め~』。某有名バンドの89年くらいの『服部』という曲だが…。まさにオンタイム。 服部幸男のサクセスストーリーが始まった時期とシンクロする曲だなぁ~と思った記憶がある。 デビュー3年5カ月、92年に平和島ダービーでSG初制覇。97年の住之江では賞金王にまで登り詰める。 TVCMの「水の上に先輩も後輩もない!」という服部の台詞は、ボート界ではあまりに有名な一言。 物静かだが向こう気が強く、その実力1本で年功序列の感が強かった当時のボート界に風穴をあけてみせ、時代の革命児だった。 時は流れて今やその服部もマスターズクラス。艇界上層に立ちはだかる先輩として追われる側の身となったが、ファンは圧倒的な輝きを放っていた『若きカリスマ・服部』の雄姿も忘れてはいない。 その支持と票を得てのオールスター、エールに応える走りで男を見せたい。

SG最年少Vから四半世紀-。情熱は枯れない

これまでで一番衝撃を受けたレースは!? と尋ねられたら、服部幸男が優勝した平成4年のダービー(平和島)と答える。 当時のまくり差しは、1マークへ向けて締めて行き、イン艇だけを行かせるもの。だが、服部が大外から繰り出したのは「ツケマイ差し」。 5コース艇をスピードの差で抑え込み、結果的に差し抜ける、当時は見たことのない大ワザだった。 あれからボートレースにのめり込み、記者という職業にも就いた。そんなキッカケを与えてくれた服部が、平成のラストイヤーを迎えてもSGにエントリー。 枯れることのない情熱をリスペクトする。

スランプ脱出へ、真価が問われる

初出走が1989年(平成元年)の5月だから、服部のボートレーサーとしてのキャリアは29年になる。松井繁とは同期で盟友だ。 そして松井よりも出世は早かった。92年のダービー(平和島)では当時21歳の若さでSG初制覇。 今村豊が持っていたそれまでの記録を更新するSG史上最年少優勝を果たし、現在もその記録は破られてはいない。 積み重ねてきたこれまでのタイトルはSGV4、G1V21。97年にはグランプリを制して頂点に立った実力者だ けに近年の低迷ぶりは信じがたいが、もちろん、このまま終わることはないはず。 〝皇艇〟復活-を待ち望むファンのためにも次の尼崎オールスターは腕の見せどころとなる。 是が非でも再浮上へのきっかけをつかみたい。
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遠藤エミ

『健気』という生き方の体現者

ソフトボールの塁間は18.29m。ここを、ランナーは3秒前後で駆けていく。 歩調を合わせ、捕球し、送球する野手に時間的余裕はない。ミスが許されないスポーツだ。そのソフトボールに、遠藤エミは青春をかけていた。 絶え間ない反復練習と精神を鍛える叱咤(しった)が伝統の競技にあって、『すべてを真に受ける』性格では心身がもたない。 底抜けに朗らかだったり、あっけらかんとしていたり、くよくよしない性格の者が多い。遠藤も、女子トップレーサーでありながら強烈な闘志をほとばしらせることはない。 以前、「パン屋さんになりたかった…」と教えられた時、誇らしい気持ちになったのは何故だろう。 高い緊張感を強いられる世界でさりげなく努力し、強者に立ち向かう。そして結果に一喜一憂しない。さらに加味される優しさ…。 遠藤エミは『健気』(けなげ)という生き方を体現している。

女子初のSG制覇にもっとも近い努力家

養成所時代の勝率が3.92で102期の中でブービーだったなんて信じられるだろうか? 女子強豪はほぼ例外なくデビュー前から鳴り物入りで出世も早いのだが、遠藤の訓練生時代は劣等生で、A級昇格にも時間を要した。 しかし、それは外野からでは分からない「目先ではなく、さらに先を見据えて」という遠藤の信念によるもの。才能ではなく地道な努力で身につけた実力が、昨年一気に開花したわけだ。 今年はG2戦準優Fという試練を与えられてしまったが、目先に捕らわれない遠藤にはかすり傷にもならないだろう。女子初のSG制覇にもっとも近い一人。 何があっても、この評価は揺るがない。それだけの地力を十二分に培ってきたのだから。

女子最強軌道のニュージェネターン

遠藤のレースを、遠藤と同期の某男子選手と一緒に観戦した事がある。 その時に遠藤は落水失格を喫したのだが…。このレースを見て同期男子選手は「遠藤の落水は、やまとの時も含めて見たの初めてかも? 体が強いタイプだから、転覆はあっても落水しないんですよね」と口にしていたものだ。 この話は遠藤の旋回センスを評してもいる。男子で言えば桐生順平や、毒島誠らがそうだが、体幹&バランスが強く、低い重心で艇との一体感を持ってボートを旋回で振り回す。 それだけに艇ごと水面下へ沈む転覆はあっても、自分だけが艇から放り出される落水は少ない。遠藤は女子では数少ない、そういうニュージェネタイプの旋回機動ができる選手でもある。 昨年末に大村QCを制し、当然次の照準はSGへ向く今年の遠藤。女子選手のさらなるフロンティアを、そのスケールの大きい旋回で切り開いて欲しい。

可能性は周囲をアツくする。そんな逸材だ!

もう12年ほど前の話になるが、横西奏恵さん(2012年引退)が女子二人目のSG優勝戦(06年クラシック平和島)で6着に敗れたあと、先輩記者とこんな会話をしたことを思い出す。 僕が「女子レーサーがSGを獲る日は来るんでしょうか!?」と尋ねると、先輩は「まあ、リニアモーターカーに乗るのが先か、どっちかだろう」と独特の表現で返答。 無念にもその先輩は、どちらも見ぬまま急逝した。 リニアは2027年に開業予定。まだ少し先だが、見通しは立っている。女子選手も男子選手との実力差が少しずつ縮まり、活躍の場は広がっている。 そして、全てがかみ合った時、頂点まで一気に届きそうなのが遠藤エミ。 あのターン力はSG戦士とも互角に渡り合えている。SGVに最も近い女子レーサーだ。

成長し続ける遠藤。大いなる野望を胸に

昨年の桐生順平のグランプリ初優勝も感動したが、クイーンズクライマックスでの遠藤の走りも記憶に残る素晴らしいものだった。 自身3回目の出場で大会史上初の4連勝完全V。神秘的とも言える強さでファンのド肝を抜いた。 年齢の近い桐生が頂点に上り詰めたことで、「モチベーションが上がりましたね」というが、すべては彼女のレーサーとしての才能だろう。 誰にも負けまいとする勝利への気迫が幸運をたぐり寄せた。もちろん、〝最強女王〟の称号を手にしたとあれば、今後はもうワンランク上のステージでの活躍を目指すのみ。 2018年はまさに真価が問われる戦いになる。 男子相手に互角に渡り合える天性のスピードで常識破りのSGタイトル戴冠を狙っていく。
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吉川元浩

結果の窓から見てはならない「度量衡の人」

『度量衡』という言葉がある。『度』は長さ、『量』は体積、『衡』は質量を表す。つまり、ものさしや秤を意味するのだが、かつて古老から「人物の大きさをはかるときにも使う」と教えられたのを思い出す。 未来と過去を見通す時間軸が長く、現実を受け入れる器が大きく、言動が重厚である者を、人は尊敬する。まっさきに吉川元浩が思い浮かぶのはなぜだろうか。 阪神淡路大震災という未曾有の経験を経てボートレーサーを目指したというが、人知を超えた大きな渦の中で生かされている確信があるのでは…と勝手に思う。 結果に一喜一憂しない姿勢と2007年・福岡グランプリVで語った「今年、自分が一番努力した」という言葉は相反するようだが、その根底には『人事を尽くして天命を待つ』精神があるはずだ。 吉川元浩は、結果の窓から見てはならぬ大きな男だ。

11年遠ざかっているSG制覇は地元水面で

今ではとても考えられないが、かつて兵庫は弱小支部のひとつで、2005年までSG覇者不在、SG常連も少なく、G1覇者さえなかなか誕生しない時期があった。 その状況を打破したのが魚谷智之と吉川元浩。2006年の福岡ダービーで魚谷と吉川がワンツー。尼崎場外では売り上げよりも、払戻金の方が圧倒的に多かったという伝説も残った。 翌2007年には魚谷がSG連覇、吉川がグランプリを制覇して、この2人で獲得賞金1、2位を独占。尼崎ファン待望の全国区スターが一気に2人も誕生した。 ただ、吉川はグランプリ制覇以降、SGタイトルには無縁。G1戦16勝の実力から考えても、これはあり得ないこと。 地元尼崎のSG戦はオールスターで9回目。待望のSG2勝目は地元水面で…の意気込みだろう。

篤実なセンタープールの業師

「 今さらそんなこと思い出させるなよ…」と、吉川選手がこの原稿をうっかり読んだらそうぼやきそうな話ですが…。 自分が吉川元浩にまつわるシリーズで一番印象強く覚えている一節というと、10年の戸田『本命バトル祭(第1回)』です。 シード企画戦の先駆けで、注目度が高かった当節。吉川は本命選手で召集を受け、低調機でファンの期待に応えようとする無理がたたって、Fに転覆も喫する厳しい成績でした。 券を買っているファン側からは、何だよ…の思いがあって仕方なしです。 ただ、ファンや運営の期待に応えようと苦闘して、プライドを傷つけられながらも、メディア対応も丁寧に最後までこなした吉川の姿は、内幕を知っている記者達からは賞賛の声が挙がる一節でもありました。 言葉にされては面映ゆいでしょうが、誠実と努力の人。待望の地元SGでの活躍へ、素直にエールを送りたいものです。

地元で迎える9度目のSGで悲願達成を!

ボートレーサーを評価する指標として、賞金獲得額、勝率、優勝回数などが挙げられる。 この中で優勝回数については、同時に優出回数も表記されることが多い。 そして、いつも瞬時に計算をしてしまうことがある。それは優勝回数に6を掛けることだ。 その数値が実際の優出回数に対してハイorローで「勝負強いかどうか」の判断にもなる。 例えば吉川元浩の場合、通算75優勝×6=450。実数は230、断然のローでV確率は32.6%だ。G1は55優出16優勝、V確率は29.1%。これもかなりの優秀な数値だ。 ただ、SGになると17優出1優勝、V確率は5.9%まで落ちる。 今回のオールスターは地元の尼崎で行われる自身9度目のビッグ舞台。このままSGのV確率がひとケタで終わる選手ではない!

尼崎では最強! 吉川の豪腕が炸裂する

マスターズ世代に突入した吉川だが、まだ45歳。魚谷智之とともに兵庫のエースとしてさらなる飛躍が期待されるSGタイトルホルダーだ。 SG初制覇は2007年のグランプリ(福岡)。 いきなりの黄金ヘル戴冠だったが、08年(3着)と09年(5着)にも優勝戦に進出し、改めてその実力を全国に知らしめた。 ただ、09年を最後にグランプリの出場が途絶えているだけに胸中は決して穏やかではないはず。 そんな焦りからか、一時期はフライング事故の多発で苦境に陥ったこともあった。それでも不屈の精神力で立ち直り、存在感を示してきたところに彼の資質の高さがうかがえる。 知り尽くしたホームプールでの戦いは絶対的なアドバンテージ。SGV2へ、今こそ真価が問われる。
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守田俊介

今度は、『涙と喝采』の舞台を!

「かめはめ波~!」…。その声とともに紙吹雪が舞ったのは2015年10月の浜名湖・ボートレースダービー。守田俊介が初のSGタイトルを勝ち得た優勝セレモニーは『笑いと喝采』が交錯する舞台となった。 「僕に元気玉をください!」というオープニングセレモニーでの願いにファンは惜しみなく声援を送り続けたが、その優勝賞金全額寄付をもって社会への深い感謝を表した。応援したくなるのは当然だ。 『整備もプロペラもしない』と言われて久しいが、「あまりに素早くたたいているから、見えないんです」と笑う。やはり気持ちのいい男だ。 ダービーVを振り返り、「ほんとうは泣くかな…と思ったんですが、あれはあれで自分らしくてよかったです」と語った守田…。今度はファンが選んでくれたオールスターだ。『涙と喝采』の舞台を願わずにはいられない。

弱点の整備力を補って余りあるテクの持ち主

もし、モーター性能が全く互角だったら誰が一番強いか…。記者仲間で必ず名前が挙がるのは市川哲也と守田俊介の2人だ。 市川はSG戦で完全優勝の偉業を達成した時でも、決して節一パワーではなかったし、グランプリ制覇時はエース機が味方だったことを思い出す。 守田もデビュー時からパワー面では劣勢なことが多く、スタート力と卓越したハンドルワークを武器に今の地位を築き上げた印象。SG戦で上位パワーだったことは過去に何度もない。 ダービーでSG初優勝を成し遂げた時は数少ない上位パワー時で、チャンスをきっちり生かし切った。 モーター出し勝負の時代になった今なお、SG常連の地位を譲らないのはズバ抜けたレース勘があるからこそ。SG2勝目のチャンスはきっとまた訪れるに違いない。

『心技に魅力あふれる最強速攻派』

ボートレースは特に、メンタルという部分が強く反映される競技です。それだけに、そのレーススタイルには選手の性格や、大げさに書けばその生き方のようなモノがにじみ出るという部分も強いように思います。 守田俊介と言えば、デビュー21年6カ月で成し遂げた15年・浜名湖ダービーV。その優勝賞金をそっくり東日本大震災の被災者の方達へ寄付したというレジェンドなエピソードを持つ選手です。 オカの上での欲のないさっぱりとした在り方、守田の場合それがそのまま選手スタイルへ通じるとも言えそうな気がします。 『物欲』=『エンジンパワー』に対してはさほど執着せず、持ち前のS力を根幹としたレーススキルで勝負する。水上では苛烈な速攻、オカでは涼しげな立ち居振る舞い。 ギラつく闘志 がぶつかり合うSG戦の中では異質でも、そのおおらかな人柄を含め、とても魅力にあふれた選手です。

衝撃を与える男がさらなる一打を狙う!

2015年10月、浜名湖で行われたダービーで山田雄太がSG初出場初優出を果たした。この時にトップゴールを駆け抜けたのが守田俊介。優勝賞金の3500万円を全額寄付してビッグニュースになった。 思い起こせばSG初出場も衝撃的だった。住之江で行われた1997年クラシック。優勝回数を積み重ね、デビュー2年10カ月でSG初出場。 同期の辻栄蔵が初めて出るまでに6年2カ月も要したのを考えると、ぶっちぎりの早さだ。そんな天才肌の弱冠21歳が、初日から前付けを敢行。6号艇で2コースまで潜り込み場内を沸かせた(結果2着)。 既に新鋭リーグ戦では恒例になっていたが、歴戦の強者(1号艇今村暢孝、3号艇安岐真人)が相手でも動じることはなく、自身のスタイルを貫いた。 人々に強烈なインパクトを与える男が、さらなる一打を狙っている。

再び脚光を-。ダービー王・守田に注目!

勝負の世界は実力だけではなく、運も勝敗を大きく左右する。 いかに〝流れ〟をたぐり寄せられるか―なのだ。そういう意味では守田の2015年ダービー優勝は記憶に残る印象的なレースだった。 予備1位からの繰り上がり出場で、あれよあれよの間の王道V。実績エンジンを手にするラッキーはあったにせよ、流れを完全に引き寄せる強運ぶりで悲願のSG初戴冠となった。 しかも、周囲を驚かせたのは東日本大震災の被災地に賞金の全額を寄付したことだろう。 「みんなの後押しがあって勝てた。この賞金は僕だけのものではないと思った」。 レーサーである前に正義感の強い心優しき人間性が映し出されていた。 あの〝衝撃〟から2年と6カ月。今度は尼崎で大器晩成のSGホルダーが豪腕を発揮する。
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松井繁

ボートレース界のブランド

かつて、実績ある先輩アナウンサーからこんなことを聞いた。 「一流は呼び捨てにされる」。『王・長嶋』『大鵬・柏戸』『尾崎・青木・中島』…。「つまり、ブランドなんだよ」。大先輩はそう説明してくれた。 今、ボートレース界では『松井繁』だろう。『王者』だからである。追う者からはタワーの如くハッキリと見えるトップアスリートも、本人の視点に立てば踏み慣らされた道は見えない。開拓者なのだ。 その看板は軽いはずもないが、松井繁に悲壮感はなく淡々と歩んでいる。それだけに、2009年の第24回グランプリ(優勝)で語った「いつももがいているんです」という言葉が忘れられない。 端麗な姿の向こうに計り知れない努力が隠されているのだ。『松井繁』というブランドはボートレース界の誇りでもある。

生涯獲得賞金36億円が何よりも王者の証し

生涯獲得賞金が約36億4千万円。この数字に王者松井の全てが凝縮されている。 2位の今村豊に約8億円の差を付けてぶっちぎりのトップだが、年間2億円超えが実に6回! 松井のグランプリ制覇は3回なので、グランプリ未制覇でも3回ほど2億円超えを達成。そのうち2003年にはSG戦未制覇にも関わらずG1戦8勝をマークして2億円を超えた。 1億円台は11回。実働28年で36億円は年平均にすると1億3千万円にもなる。年平均が1億円を超えているのは他に艇王・植木通彦さんしかいない。 プロの世界は稼いでナンボ。どんな記録や実績よりも、この獲得賞金だけで松井のすさまじさが分かる。 昨年も3カ月連続G1戦優勝など、50歳手前の今なお、衰え知らずの走りっぷり。今年も主役の座は譲らない。

ボートドリームの体現者

『夢をかなえる4つの《C》』。 ディズニーランドの創設者ウォルト・ディズニーの言葉なのですが、その4つの『C』とは…『Curiosity・好奇心』、『Confidence・自信』、『Courage・ 勇気』…、そして『Constancy・継続』を指します。 中でも大事なのは自らが信じた道を貫き続ける自信と継続だそうです。松井選手も自らが掲げる金言に「継続は力」という言葉をあげています。 王者・松井が他の名選手達と一線を画する部分は、高いレース技量も当然ですが、やはり一番は自らを信じてボートレーサーとしての頂点を求め続けていける、そのメンタリティーでしょう。 たゆまず、だからこそかなえた生涯獲得賞金36億円。夢=ビッグマネーは、ドライでも最も分かりやすい成功者の夢の形です。 ボートドリームの体現者『絶対王者・松井繁』。憧れを裏切らぬその威風に今年も期待したい。

今年はSGで最強ルーティンを披露だ!

ボートレーサーはオシャレな人が多い。他のアスリート達と比べても、群を抜いている思う。その象徴的な存在が王者・松井繁だ。 ファッションの極意を尋ねた時、返った来た答えが「サイズを合わせる」だった。これは勝負の世界においても当てはまる。 自身の短所を知っていなければ、反省を元に強化することが出来ない。同時に長所も分かっていなければ、チャンスが来ても掴むことが出来ない。 王者の最大の武器は我慢に耐えられること。結果を欲しがってスタート勝負に頼らず、それでいて勝機が訪れたら逃さない。 昨秋の桐生、福岡、尼崎のG1V劇こそ王者の真骨頂。今年はSG戦線で必勝ルーティンに持ち込む。それが叶えば夢のグランプリ4Vが見えてくる。

揺るぎない絶対王者。貫禄の走りで圧倒!

昨年、12年連続22回目のグランプリ出場を果たした松井だが、それまでの道のりは決して平坦ではなかった。 5月の福岡オールスター(4着)以降はSGはおろか、G1での優出もなくなった。 「特に夏場はエンジンが悪くて苦しかったね。でも、そこを我慢できたのが大きい」という言葉どおりに季節が変わると劇的にリズムは好転していく。 10月の桐生61周年、11月の福岡64周年をV。GP出場が決まった直後の尼崎65周年でも見事な優勝を飾る怒濤の快進撃となった。 短期間でG1V3はSGを1つ勝つよりも難しく価値のあるものだが、それをいとも簡単にやってのけるのだからさすがという他はない。 前人未到のGPV4を目指す絶対王者が今年もボート界の軸となり、存在感を見せつけるのは間違いない。
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今村豊

人を励ます頼もしいレジェンド

『未来は変えられるが過去は変えられない』という。果たしてほんとうにそうだろうか。今村豊を見ていて思う。 ボートレース界を拓いてきたレジェンドは、過去の見え方をも変えてきたのではないか。『歴史を再構築させる力』をもっているのだ。それも、伝統を壊すことなく向かうべき方向を変えるという方法で。 だから、年配者から好かれ、若者からは尊敬されるのだろう。 その彼が「目標はない」という。どんな言葉より人々を励ます至言だ。『一日一日を実直に生きていく』という生き方への宣言は、ボートをぶつけない、弱い立場の者に強く出ないなどのスタイルと合致する。 「実るほどこうべを垂れる稲穂かな、と父に教えられまして…」と静かに語る横顔も、レース中の鬼の形相も、大きな価値を内包し清々しく頼もしい。

38年目の今なお輝き続ける永遠のスター

今村のデビューがどれだけ当時のファンの度肝を抜いたか、最近のファンには想像がつかないだろう。 デビュー戦優出やデビュー期A級特進は何人かいるが、10カ月目にはG1戦を走り、SG戦には1年ジャストで出場し、1年2カ月でG1戦初優勝。同じ2年目にはもうG1戦2勝目。そして3年ジャストでSG初優勝…。 これらは全て大外6コースから。 ずっとリアルタイムで見てきたが、その衝撃はとても言葉ではいい尽くせない。そんなレジェンドもデビューして38年になるが、今でも「今村豊」の名前があると胸がワクワクする。そんなオールドファンはきっと多いはず。 誰が何と言っても今村はその人柄も含めてボート界の永遠のスター。記録にも記憶にも残る唯一無二のスーパースターだ。

『シンギュラリティ』=『今村豊の全速ターン』

孫正義さんがAI技術の進化にまつわる話の中で口にして、ちょっと流行った言葉なのですが…。技術的特異点。大まかに書くと…、ある技術体系が、それまでの時系列と全く違う爆発的な進化を起こすポイントです。 ちょっと強引ですが、まさにこの言葉をボート界に当てはめれば、『シンギュラリティ』=『今村豊の全速ターン』ではないでしょうか。 ターンの進化を促し、過酷なエンジン出し競争から旋回技術の勝負へ。ボートレースをスタイリッシュに進化させた功績者が今村だったように思います。 その、ひときわ特異な輝きを放つ今村豊も56歳。肉体的な衰えが出るのは競技者としてやむなしでしょう。それでもボート新時代を切り開いたフロンティア精神を、その走りと後ろ姿でまだまだ若者達に焼きつけていって欲しいものです。

SG最年少Vを飾った浜名湖で最年長Vも!

「レース場に預けておく」。舟券ファンなら負けた時に一度は言ったことがあるフレーズだろう。今村豊も2014年に浜名湖で行われたグランドチャンピオンの優勝戦後に同じコトバを放っている。 53歳でSG最年長Vに挑戦した時だ。50歳以上でのSG戴冠者は安岐真人と野中和夫(両名とも引退)の二人しか存在しない。いずれも90年代の記録で21世紀になってからは出現していない。 あれから約4年。56歳になった今村豊が力を振り絞ってチャレンジする。「(当時の)SG最年少Vを達成した選手が最年長Vも記録」。
こんな素晴らしいシーンをこの目で観てみたい。34年前にSG初制覇の衝撃を与えた浜名湖で―。

ボート界のレジェンドが反撃に転じる!

昭和の時代を彩り、元号が変わって30年が経とうとしている現在もトップレーサーとして君臨する今村の存在はまさに選手の鑑(かがみ)だ。 その強靱な肉体は56歳という年齢を全く感じさせず、ハンドルテクニックはもちろん、若手にも負けないコーナースピードを繰り出す。 SGV7、G1戦V48の輝かしい実績もあくまで通過点にしか過ぎず、今後はさらにタイトルを積み重ねていくに違いない。 浜名湖では1984年のオールスターでSG初制覇を達成。92年にはメモリアルも制してビッグV2。 「江戸時代の話をされてもね…」と笑い声が返ってきそうだが、今年最初のSGが思い出の水面なら燃えないわけがない。 昨年、オールスターからダービーまでのSG5大会で予選落ちした屈辱を晴らすためにも豪腕発揮といきたい。
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片岡雅裕

感謝こそ、躍動の原点

「師匠の秋山さんに…(伝えたい)」。 昨年夏のびわこ周年で片岡雅裕は言葉を詰まらせた。初のG1表彰式で、こみあげてきたものを隠すことができなかったのは、人知れず苦しんできたからだろう。 選手会香川支部長でもある秋山広一は社会性を重んじる人物だが、『その大きな眼差しがあるからこそ今の自分がある』と感じているに違いない。美しい涙だった。 派手な面が一切なく言葉を先に投げないのは性分だろうが、プロとしては面白味に欠ける。 感謝の深さを見てしまった者として言いたい。勝負の世界は厳しく、負ける時は簡単に負ける。だからこそ、結果を求めすぎることなく戦ってほしい。感謝がプロセスを育み、そのプロセスの先に結果があるのだから…。 むろん、片岡雅裕はそれを知っている男だ。

自衛隊から転身した元高校球児は意外性の男

ボート界には甲子園出場経験者も含めて元高校球児が非常に多く、片岡もそんな1人。 1977年春の甲子園に部員12人で初出場し、元阪急の山沖之彦を擁して準優勝。「二十四の瞳」と呼ばれて一世を風靡(ふうび)した高知県立中村高校野球部の出身だ。 残念ながら片岡は甲子園には行けず、高校卒業後は陸上自衛隊に入隊。そこからボート界へと転身した経歴を持つ。 出世は決して早い方ではなく、記念戦線もスポット参戦が多かったのだが、昨年7月のびわこ周年でG1戦初優勝。優出自体は6回目だったが、2月の四国地区選手権に続いて昨年まだ2回目のG1戦で優勝したことに底力を感じる。 数少ないチャンスを物にした勝負強さは特筆もの。こういうタイプは案外、あっさりとSG戦を勝つ意外性を持つ。

四国次代の担い手へ…今は挑戦者の身

わりと早い段階から四国ホープとの認識を周りに抱かれ、飛躍の時を期待された片岡雅裕。ただ13年の津チャレンジカップ以降は特別戦の壁に苦しんだ。 成績面でも足踏みし、なかなかSG出場の権利も取れずと自らも歯がゆい思いをしていたはずだ。そんな片岡がお待たせの記念初Vを遂げたのは、デビューから約10年…昨年7月のびわこ周年。 乱戦シリーズを制して、最後は見事1枠インから逃げての優勝だった。これを弾みに昨年は再びチャレンジカップ(下関)、そしてグランプリシリーズ(住之江)と2つのSGに参戦。 ただ、SGの水神祭こそ果たしたが「先輩にも後輩相手にも差を感じた…」と、成績は振るわず自らの修行点を痛感した。今年は「GPに出たい」という夢と目標を心に掲げて自らを磨く1年。 今は挑戦者。まずはクラシックにその渾身(こんしん)のトライを刻みつけたい!

衝撃の初Vから8年。全国スターへ急加速だ!

「この選手はヤルなっ」。 ボートレース記者なら、いつだって、誰だってアンテナを張り巡らせている。今から8年前、TV画面から飛び出して来そうなまくり差しが目に飛び込んで来た。それが片岡雅裕だ。 その優勝戦は、将来が有望な愛知の若手A1選手が1号艇に乗っていたこともあり、仕事の手を止めてリアルタイムで注視した。だが、勝ったのは赤いカポック。 デビューから2年4カ月、5コースに持ち出しての初V劇だった。その後も地元の丸亀を走る時は異常に強かったが、内弁慶でもあった。 殻を破ったのは、2013年9月の新鋭王座決定戦(桐生)と翌月の蒲郡周年。どちらも鮮やかなレースでファイナル入りを果たした。 そして、昨年はG1タイトルも手にしてローカルヒーローから全国区へ歩み始めた。

琵琶湖の次は浜名湖で-。片岡に熱視線!

努力を惜しまず頑張っていればいつかは報われる-。それを証明する激走だった。 片岡は昨年7月のびわこ65周年でG1戦初V。デビューして9年と8カ月、自身6回目のG1優出で夢にまで見た大きな勲章を手に入れた。 「ここまで長かったけど、頑張ってきてよかった。これを通過点と言えるようにしたいし、もっと上のタイトルも獲りたい」。 ヒーローインタビューではこみ上げる涙とともに熱く抱負を語った。その後は11月の福岡64周年で優出(4着)したのが記憶に新しい。 今年に入ってからはまるがめの四国地区選(3着)でも6強入りと、G1ウイナーの看板を汚さぬ走りを見せつけている。 SGは今回で4回目の出場。もちろん、チャレンジャーの身であるが、昔の彼ではない。 琵琶湖の次は浜名〝湖〟でエンジン全開だ。
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前本泰和

頼もしい『庶民の味方』!

前本泰和はファンの視線をそらさないレーサーだ。 髭(ひげ)の闘将・大嶋一也さんの引退レース(昨11月蒲郡)…、スタート展示で⑤前本は⑥大嶋さんをブロックした。一瞬、『引退レースなのに』と感じたが、しびれるような勝負を繰り返してきた御大への敬意が背景にあった。 大嶋さんは本番で前本を抑え2コース進入。2着で選手生活の幕を下ろした(前本3着)。 後日、『最善を尽くし悔いなし』と語る前本の笑顔がとても印象的だった。 デビューして四半世紀余り、103回の優勝を誇るがV5以上の年が10回もある。さらにV11の年も2回を数える真の実力者だ。そして今年は唐津周年(1月)を制し、いきなり波にのっている。 勝負強いがダントツの人気にはならない前本泰和。その存在は頼もしく『庶民の味方』と言うにふさわしい。

40代半ばで記念常連に達した一般戦の鬼

あの彦坂郁雄、野中和夫を超える「7場所連続優勝」という新記録を樹立し、全国24場全場制覇も達成している前本は、間違いなく史上最強の「一般戦の鬼」であり、「遅咲きの雄」と表現してもいい。 2013年にはグランプリシリーズ戦でSG制覇しているが、優勝98回とどんなに一般戦で勝ちまくっても記念常連になれなかった男が、昨年はSGで3回優出し、デビューして25年、45歳にして初めてグランプリに出場。 同年代の記念常連選手たちはすでにピークを過ぎて記念戦線から離脱し始めているというのに、前本は逆に常連となり、今年もさっそく唐津周年を優勝するなど結果も出している。 師匠・西島義則譲りの勝負強さと常に快速に仕上がるモーター出しを武器に、今年はSG2勝目を目指す。

2千勝も間近…職人肌の優勝請負人

2/12時点での通算勝利数が1950勝。優勝103回、内G1戦4V、SG1V。 前本が今年も例年どおりのペースで勝ち星をあげれば、おそらく夏~秋口には、46歳にして2千勝のメモリアルウインを達成。まさに堂々たる戦歴だが…。 記念Vまでは15年7カ月、30歳代半ばにしての記念初優勝は、売り出しも早く、例年最多優勝争いに顔を出すVハンター前本の実力からすればそう早いものではなかった。 そのせいか、前本の印象は特別戦で渡り合う今でも『叩き上げ』、『平場の鬼』というイメージが強い。遅咲きで圧倒的な華々しさはなくとも、職人肌の剛健な気風。 レーススタイルも行き足の鋭い仕立て、進入から圧をかけての仕掛け戦とクラシカルなスタイル。 そんな前本がGRANDE5その一つ目を獲るならば、まさにこの伝統の一戦『クラッシック』はふさわしいのかもしれない。

2年連続GP出場へ1V水面の克服がカギ!

平成のVハンター前本泰和は、2月14日現在で通算の優勝回数が103。 2016年には全国24場制覇も達成しているが、その中でも得手不得手があるのだろうか!?そこでクイズ。
問1.V回数が多いレース場順に3連単で?
正解は、宮島(18V)→児島(9)→丸亀(7)。
これはホームの宮島から電話投票コードがひとつずつ東へ向かっただけ。アタマがテッパンだったこともあり、人気サイドだった。
問2.反対にVが1回のレース場が3つある。それは?
正解は、浜名湖、徳山、芦屋。この3場の共通点は、偶然にも今年のSG開催場だ。
2年連続グランプリ出場を目指す前本にとって、SGロードでの賞金加算は必要不可欠。クラシックはもちろん、この3大会で結果を残すことが出来るのか!? 開幕カードから楽しみが膨らむ。

からつで早々とG1V。前本は今年も好調!

マスターズ世代に突入した前本だが、その華麗なハンドルさばきはさらに輝きを増してきた感がある。 2016年2月の徳山では史上14人目となる〝24場完全制覇〟を達成。そして、昨年のオーシャンカップでは準優勝し、ダービーでも優出5着。 〝一般戦の鬼〟という代名詞を覆すSG戦線での活躍が光った。 選出順位18位で念願の初出場を決めたグランプリは残念ながらTR1stで脱落し、シリーズ戦(優出3着)回りを余儀なくされたが、これも経験だ。 悔しさを〝力〟として蓄え、さらなる飛躍を遂げてもらいたい。 すでに2018年はからつ64周年でG1通算V4を飾る幸先のいい滑り出しを決めたばかり。 再びグランプリの出場を果たすためにも〝仕事人〟の巧腕に期待したい。
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瓜生正義

自制的な勝負師の典型がここに!

『勝負師』と簡単に言うがスタイルはさまざまあって面白い。 闘志をむき出しにするのはその代表格。一方、力みがなく飄々(ひょうひょう)としている者や学者肌も散見される。そんな中、『瓜生タイプ』なるものが存在する。極めて自制的な自律型だ。 自制的とは、自分を最優先にしない他者の視点をもった行動哲学を意味するが、勝ち負けの世界にあってそんなことがありうるのかといぶかしむ向きも多いだろう。 しかし、武芸の世界ではごく当たり前の価値観である。そして、瓜生正義が我々の眼前にいる。 何と戦うのか…、何を与えるのか…、瓜生正義という人物が示唆する世界は大きく把握しきれない。大きいものに憧れるのは人の習い。 見ているだけで自分も大きくなれそうな気がするのは、私だけだろうか。

クラシックは記念戦線本格復帰前の最大の山場

羽野直也と仲谷颯仁を除く福岡の記念戦士に昨年中盤から元気がない。 「出る杭を打つ」のではなく、「出る杭を育てる」と言われる瓜生が記念戦線から離脱したことが要因ではないか。 福岡勢にとって瓜生は精神的な支柱。福岡勢の元気のなさに、改めて瓜生の存在感の大きさを痛感させられている次第。 悲願のグランプリ制覇直後の昨年は色々ありすぎて記念戦線から離脱し、今期も出走回数不足でA2級に降格。 記念戦線の本格復帰は今年7月以降まで待たなければならない厳しい立場だが、クラシックに出場できるのは不幸中の幸い。 大きなハンデを背負っている賞金争いを挽回する序盤最大のビッグチャンス。 大げさな言い方をすれば、グランプリ復帰へ勝負駆けという位置づけになる。

心技そろう尊い艇界のカリスマ

ユーモアがありメディア対応も上手な川上剛が「瓜生さんに『しっかり記者さん達の取材の対応をしないとダメだ』と、前に教えられたことがあるんですよ」と口にしていたことを覚えている。 全てが瓜生のお陰…でもないだろうが、総じて今の福岡の若手選手達は、メディア対応という部分で人柄の良さを感じさせてくれる。 やはり若手は、師匠、支部の先輩、そして身近にいるビッグレーサーの背中にこそ憧れて育っていくもの。 GPV含むSG9冠、G1戦17勝の艇界最高峰の一角に座しながら、人としての誠実さも忘れない。瓜生正義はそんな若手にこそ見上げて欲しい名選手だ。 ただ…そんな瓜生も、昨年はF2で約20年続けたA1級の椅子も失うなど苦しんだ。今年は尊い艇界のカリスマが、その輝きを取り戻す大切な1年。 まずは大事な特別戦出場機会、クラシックでその存在感を見せつけたい。

試練を乗り越え10個目のビッグタイトルへ

限られた選手だけが味わう極限かつ継続的なプレッシャー。それがグランプリを取った選手の宿命だ。 昨年の瓜生正義は、年間3本のスリットオーバーが示すように、完全に自滅してしまった。 近年を振り返ってもグランプリ覇者は反動が出るケースが多い。 翌年の獲得賞金順位は、2011年~の5年間で山崎智也の9位(2015年)が最高。他は2ケタ順位に甘んじている。 瓜生も例に漏れず30位だった。それだけ、現行のプロペラ制度では同じ選手が頂点に居続けることが困難になっている。 ただし、立場が変われば形勢も逆転する。何しろ地力が落ちたワケではない。本来は何事にもポジティブシンキングで乗り越えるタイプだけに、この試練もプラスに転換させるはずだ。 節目となる10個目のビッグタイトルへ復活劇を演じるか。

昨年の瓜生はFの渦。2018年は心機一転

ボート界の頂点を極めた男に待ち受けていた想定外の現実-。 一昨年のグランプリ覇者でMVPにも輝いた瓜生は昨年3月の江戸川ダイヤモンドカップの初日ドリームでフライング。そして次節、大村のダイヤモンドカップ優勝戦でも痛恨のスリットオーバーに泣いた。 このG1戦での連続Fはいくら敏腕レーサーといえどもダメージが大きい。 前期は90日の休みを余儀なくされたばかりか、呪われたように復帰後4節目の10月福岡でまたもやF…。出走回数不足により今年1月からは屈辱のA2降格と、一転して〝悲劇のヒーロー〟になってしまった。 しばらくの間は極端に速いスタートは封印されることになるだろう。 しかし、このまま終わる瓜生でないこともファンは知っている。時が来たら覚醒する。
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森高 一真

潔さという男気が魅力!

「乗れるようになるのが先です」。20代半ば、森高一真は自分の方向性を言い切っていた。 舟足を言い訳にせず、与えられた状態で戦う覚悟を示したのだ。確かに『男気』ある競走は枚挙にいとまがない。 記念常連となる中で調整や整備を体得していくが、そこにも『男気』が存在している。「整備するなら勝負の整備」というスタイルだ。 ペラ調整はともかく、モーター本体に手を加える時は「ちょっと良くなれば…」という整備はしない。失敗を恐れず一発逆転を狙っている。 闘魂すさまじかった安岐真人さんを心から慕い強気のレースを志向するも、実際は流れの中で勝負している。すなわち、与えられた状況という運命に恭順であり、結果は天に任せるという思想だ。 森高一真の『男気』は、潔く清々しい。

悲願のGP出場を果たし、スケールアップ必至

SG制覇=グランプリ出場という図式が2014年以降は完全に成り立っているが、12人枠だった2013年までの28回の歴史の中で、実に13人ものSG覇者がグランプリに出場できなかった事実がある。 その最後の1人になってしまったのが森高。2013年11月、津チャレンジカップでSG初制覇を成し遂げたが、12位の選手にわずか21万円届かずに次点に泣いた。 そのリベンジを見事に果たし、昨年は初めてグランプリに初出場。SG制覇こそなかったが、蒲郡周年を制し、SGではメモリアルで優出と充実の年だった。 しかし今期は勝率が6点台を割り込むほどの不調。31期続けているA1級キープがピンチという信じられない状況で、残り3カ月にA1級キープをかける。土俵際での底力をとくと拝見したい。

華舞台へ今一度…今年は春から荒稼ぎ?

森高一真というと…あのこわもて系のマスクから、誰もが最初にその選手スタイルを武闘派系の強攻型と想像するのではないだろうか? ただ実際は、調整力を骨子としたさばき型タイプで、割とソツのない走りでポイントを稼ぐのがレーススタイルのベース。風貌とはギャップを有する選手でもある。 存在感のあるタイプだけに、正直意外でもあったのだが、GP戦の出場も惜しい惜しいが続いていて、昨年の住之江大会が初の参戦だった。 そのGP戦は「メンタルの部分では戦えたと思うが、調整や旋回面では差も感じた」と、2nd敗退を冷静に分析。 「また走りたい舞台ではあるよ。17年はたまたま出場できたが、次を狙うならもっと早めから意識していかないと」。 有言実行か、18年は1月出だしの大村G2誕生祭で優出し早くもひと稼ぎ。今年はSG戦線も初手から飛ばしてくるか?

外枠でのパフォーマンスが高く穴党必見!

各レース場でファンの語り草になるレースが存在する。蒲郡でノミネートされるひとつが2006年7月の51周年記念(勝者は正木聖賢)だ。この時の森高一真は3着に敗れはしたが、勝負師としてのド根性を全国にアピールした。当時、バリバリのイン屋だった上瀧和則(現選手会長)との壮絶なコース争い。 待機行動では両者のボートがタテに並ぶほどだった。最終的に森高がインを奪取したものの、80mの深い起こし位置では持たなかった。それでも、コンマ09を決めて見せ場は作った。 「入るだけではない」のは、干支(えと)がひと回りした今でも考え方は同じ。前付けに動くケースでは、勝負になるアシに仕上がっていることが前提だ。 それでいて、キレのあるまくり差しも兼備している。日頃から公営競技を愛するだけに、穴舟券を買うファンの気持ちも大事にしている。

GP出場の経験を自信に今年も躍動する

こわもてだが、シャイで優しい性格の持ち主。それが森高だ。 もちろん、実力も確かなものがある。 2013年の津チャレンジカップではSG初V。銀河系85期のSGウイナーは田村隆信、湯川浩司、井口佳典、丸岡正典に続いて5人目、デビュー14年目の出来事だった。 その年、13位次点でグランプリに出場できない〝珍事〟があったが、それに動じることもなく、ここまで香川支部を引っ張りボート界の発展に一役買ってきた。 昨年は選出順位16位で念願のグランプリにも初出場。結果はともかく、〝18人〟の中に入れたことは今後への大きな自信になるのは間違いないだろう。 さらなる飛躍を期す2018年。昭和の香りを漂わせる個性派が再び攻勢をかけてくる。
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原田 幸哉

飛躍は感性から訪れる!

原田幸哉から厳しい指摘を受けたことがある。15年近く前のことだ。 勝利者インタビューで『保険をかけた…』という表現をした私に対し他の選手へのインタビューにも関わらず、「ファンが分かりにくい言葉はやめたほうがいい!」と直言された。 今でも覚えているのは、それこそがアナウンサーの本分に関係することだと思っているからだ。原田幸哉はファンの感性をもっている。 海上自衛隊で艦外の音を聞き分けるソナー担当をしていたためだろうか、感覚を大切にする人物だが、そのこととレーサーとしての活躍は無縁ではないはずだ。 計算の世界に生きる人に飛躍的成長は難しい。計算を逸脱しないようにしているからだ。計算式を度外視してこそ計算外のことが起こるのだ。 原田幸哉は『飛躍は感性から訪れる』と教えてくれる人である。

薄れぬ存在感!9年ぶりSG制覇へ機は熟す

SG3勝、G1戦13勝の実績を持つ原田だが、珍しい記録の持ち主でもある。かつてG1戦4勝のうち2回が恵まれ優勝だった石塚憲明といういぶし銀のベテランがいたが、原田もG1初優勝の新鋭王座が3艇Fによる恵まれ。 SG2勝目の浜名湖グラチャンも魚谷智之のFによる繰り上がりなど、実に恵まれ優勝(Fによる繰り上がり)がSGで1回、G1で4回もあるのだ。原田自身はSG、G1の優勝戦でFを切ったことがなく、集団Fに巻き込まれない。 原田の存在自体が相手に「スタートを行かなければ…」というプレッシャーをかけていると考えられる。SG制覇からもう9年も遠ざかっているが、昨年もG1戦2勝と存在感は決して薄れてはいない。 長崎支部移籍後初のSG制覇も時間の問題だろう。

F休み明けでも浜名湖の下ごしらえはOK?

原田幸哉をプレイヤーとしてタイプ別に区分けすれば、天才肌系?となるだろうか。こう書き出すとあからさまなヨイショ原稿のようだが、現実にそう思える場面に遭遇する。 原田は足作りよりレース技能重視の スタンスで、競技者としての感性はギフト(天賦の才)に近いモノを感じさせる。以下はやや原田には失礼な話だが、前操者・原田幸哉のモーターを引いた某選手が「これであの人はあれだけ稼ぐんだから…すごい」と、前操原田の活躍からは信じられないほどの凡脚に苦しみ、そんな言葉を口にしていた。 レースでこそ勝つ…そんな矜持をも感じさせる原田の今年の始動は、F休みのため2月17日の浜名湖一般戦から。この後唐津を走って浜名湖クラシックに参戦。 大舞台を前に1節浜名湖の感覚をつかむ好機を得られる愛のあるあっせん配分。それに応える男気も、技もある選手だ。

初心に帰って豪快なレースを約束!

1月14日、蒲郡のトークショーに訪れていた原田幸哉に2018年の意気込みを聞いてみた。 「今年は上半期が勝負だと思ってます。まずは3月の浜名湖(クラシック)、そして直後の蒲郡周年は目一杯の勝負を懸けます」と力強く言い放った。OFFモードから急にスイッチが入ったのにはワケがある。 「今年は初めて沖縄で正月を迎えました。考える時間がたくさんあって…。一番思ったのは、レースが小さくなっているなと。 まだまだ若手にもターンでは負けていないし、スタートを含めてもっと豪快なレースをしよう」と決意した。 ありがたいことに始動戦は2月17日からの浜名湖一般戦。1カ月後の大勝負へ向け、イメージを膨らませるには絶好の機会を 与えられた。8年4カ月ぶりのSG戴冠が現実味を帯びてくる。

当地で再びタイトル奪取。原田の底力に期待!

昨年、2年ぶり5回目のGP出場を果たした原田だが、結局は1勝もできぬまま終わった。 シード組上位6人に渡った高複勝率オレンジモーターと、原田が手にした53号機とでは明らかにパワー差があっただけに残念だ。 エンジン力の差が勝敗を左右する現代のボートレースの象徴かもしれなかった。いずれにしても屈辱の敗戦を味わって闘志に火がついたのは間違いない。 昨年1月の下関62周年では幸先よくV発進を飾ったのが記憶に新しいが、もちろん、今年も気持ちをリセットして序盤から勝負をかけてくることだろう。 2018年一発目のSGクラシックは浜名湖。当地はグラチャンを勝った思い出のボート場でもあるだけに注目度は高い。
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魚谷 智之

純度を増す『ひたむきさ』が魅力!

かつて『新艇王』という称号が確立しかけた時期がある。魚谷智之が2006年の福岡ダービーに続き、翌年のオーシャンカップ(桐生)とメモリアル(蒲郡)を取った2007年のことだ。 ダービーでSG初Vを飾ると、直後からとどまるところを知らない強さを発揮した魚谷…。2007年後期期間の1着率は48.9%に達している。ちなみに3連対率は82%に及んだ。 『新艇王』の呼び声はSG連覇を受け報道陣から発せられたが、魚谷は『その器にあらず』という趣旨の返答をしている。努力家らしいと思う。 それは、自らの弱さをも知り、乗り越えんと奮闘している人物だからだ。人間らしいから自然にたくさんの応援が集まるのだ。 人間魚谷のひたむきさは42歳となった今も変わっていない。むしろ、その精神はますます精錬され『純度』を増しているようだ。

一時の低迷期を乗り越え、完全復活は目前!

過去、2億円レーサーは延べ22人誕生しているが、魚谷もそのうちの一人。 オーシャンカップ、メモリアルとナイターSGを連覇した2007年。G1も3勝してグランプリ制覇の吉川元浩を抑えて獲得賞金1位にも輝き、MVP、記者大賞の3冠を獲得。頂点を極めた。 ところが2010年以降、SG、G1の優勝から遠ざかり、SG準優Fの試練などもあって低迷期を迎える。ようやく復調の兆しを見せたのが8年ぶりにグランプリに出場した2016年。そして昨年は10月の津周年で8年ぶりのG1制覇も果たした。 直後の平和島ダービーでも優勝戦1号艇を手にしながら優勝を逃したものの、完全復活は時間の問題。もう10年間も遠ざかっているSG制覇へ、今年は本人もその気になっているはずだ。

再び水得た…旬魚の走り!

昨年10月の津周年で優勝した魚谷智之。この報を伝える記事で『魚谷8年ぶりの記念V』という原稿見出しに「えっ?そんな久しぶり?」と驚いたファンの方はわりと多かったはず。 記念でも存在感は示しながら、確かに優勝となると09年11月の福岡周年6号艇でのV以来。 様々なペラ・モーターのレギュレーション変更。 ここへの対応でやや後れをとり、SGV3黄金期に見せたような機出しとレースができないもどかしさ、悔しさを味わったその月日は、他者が想像する以上に魚谷本人にとって長い年月だったはず。ただ昨年はこの雌伏の期間にもう一丁磨きをかけた旋回で、SG平和島ダービーでも1枠優出。無念の惜敗準Vではあったが、再度覚醒の今を感じさせる仕事ぶりを示した…。魚谷は今年で脂も乗った43歳となる。季節と旬は巡るもの。旨味凝縮の旬魚の走りで4度目の栄冠へトライだ。

完全復活へ必要なピースはSG優勝だ!

久しぶりのウイニングランだった。昨秋の津周年で復活Vを飾った魚谷智之。 G1以上では、2009年11月の福岡周年以来、7年11カ月ぶりだった。 表彰式を終えた後に、記者陣による囲み取材が行われたのだが、そこで「ここ何年かは本当に苦しかった。ひとつ勝つことの難しさを痛感しました」と吐露。 「一番成績のいい頃には、こんなにかかるとは思わなかった―」。実感が伝わって来た。 改めて振り返ると2006年7月の鳴門周年で2度目のG1を制してからは、3年ちょっとの間にSGを3優勝、G1を9優勝。 誰もが認めるボート界の中心人物だった。「ずっと一生懸命にやってきたし、苦しんだからこそ、津の優勝にたどり着けた」 長かったブランクは何かを意味する。その答えは今年のSG戦線で証明する。

復調著しい魚谷。今年はSGタイトル奪還だ!

2006年のダービーでSG初制覇を達成した魚谷は翌年、オーシャンカップとメモリアルの2つのビッグタイトルをゲットしてSGV3。 その後は〝らしさ〟が影を潜めていたが、ようやく明るい日が差してきた。昨年10月の津65周年では8年ぶり11回目のG1Vを飾って復活をアピール。 「勝つことの難しさを身に染みて感じてます」と、久々に味わうヒーローのお立ち台で気持ちを引き締めた。 平和島ダービーは惜しくも準優勝。前ヅケして2コースに入った深川に差し切られる苦杯をなめたが、SG優勝戦の1枠を取れたことで手応えをつかんだのは間違いない。 静から動へ-。さらなる飛躍を胸に2018年は一発目の浜名湖クラシックからバシッと存在感を見せつける。
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茅原 悠紀

重責を希望に変容させる天性の人!

『茅原悠紀は誰かに似ている…』ずっと思い続けてきたが、最近答えが出た。高中正義だ。 1971年、18歳ですい星のごとくアマチュア界からデビュー、一気にスーパースターとなった日本を代表するエレキ・ギタリストである。 高中の演奏を見れば誰もがギターが好きであると一目で分かるが、茅原悠紀も同様。 プロデビュー早々、名だたる一流を向こうに回し、臆することなくスポットライトの中心に立ったことも共通する。 高中は『フュージョン』という新分野を開拓したが、茅原は『ニュージェネレーション』の旗手となった。新しいボートレースの行方はその肩にかかっている。 スターの条件のひとつに、そうした重責を重荷とせず、『希望』に変容させる素養が含まれるが、茅原悠紀はそれを天然に持ちあわせている。 だからだろう。そのレースは『明るい未来』を感じさせる。

名門・岡山支部を一身で支える練習の鬼

「ホームの児島なら目をつむったままでも3周できます。それくらい練習してますから」 売り出す前の茅原は、自信満々にこう語っていた。ボート界屈指の名門・岡山支部を今や一身で支えている天才は、実は練習の鬼で努力家でもある。 2014年の平和島グランプリでは大外6コースから衝撃的な優勝を飾ったが、同年4月、同じ平和島の周年優勝戦でFを切っていた。 その後遺症さえみじんも感じさせなかったメンタルの強さも武器。 2016年の江戸川MB大賞以降、約2年間でG1戦2回、G2戦1回を含む9回の優勝は全て優勝戦1号艇からの王道V。 SG初優勝は誰もが驚く伏兵優勝だったが、さらに進化した茅原のSG2勝目は近年得意パターンの王道Vになるに違いない。

くるか怒涛のニュージェネウェーブ…茅原悠紀

14年の平和島GP戦は茅原悠紀の驚異の6コース優勝で幕を降ろした。 明けて正月…茅原の優勝を目の当たりにした同じニュージェネレーションの桐生順平が、戸田の地元戦で「凄く刺激になりました。今度は自分が取りますよ」と、少し悔しそうに自らを奮い立たせる言葉を口にしていたのを覚えている。 あれからわずか3年後の昨年末、桐生はその簡単ではない目標をあっさりとかなえて見せた。 それも節間、決して楽な流れではない戦いを経て、最後は王道のイン逃げV。 今度は茅原がそれを間近で見る番となった。 この時、茅原はエンジン面で恵まれぬ悪条件もあったが、やや道中でのミスが目についた。それだけに、胸中では負けていられない…、余計にその思いを強くしたはずだ。 今年は持ち味の超好角度ターンへさらに磨きをかけ、SGロード開幕戦から飛ばしてくることは間違いない。

超絶ターンを駆使してタイトル量産だ!

ボートレースは、モーターを仕上げることが勝利への近道。出ていれば、上手に見えるし結果も残る。 では、最高にマッチングした時に、一番スゴイレースを魅せるのは誰!? と尋ねられたら、茅原悠紀に一票を投じる。 ボートを奥で返し鋭角ターンを実演。回った直後にウィリーと完璧なミッションをこなす。これが1マークの決定力を生み、道中の猛追劇にも繋げている。 そのスケールと完成度たるやハンパではない。お寿司に例えて恐縮だが、桶の大きさはボート界で随一。今後、どれだけのネタを乗せられるかに焦点が集まる。 正月レースを優勝して通算34V、その内SGは1勝、G1は4勝。大トロが燦然(さんぜん)と輝くが、まだウニやイクラは乗せていない。 2018年は彩りを鮮やかにする一年だ。

昨年7月周年の借りは必ず返す!燃える茅原に注目

2012年の浜名湖オールスターでSG初出場を果たし、2年後の平和島GPでSG初優勝。 茅原はアッという間にボート界のトップレーサーへ駆け上がった。 昨年は徳山での地区選を制してG1V4。 3回目の出場となった年末の大一番、グランプリは〝引き〟とエンジン出しに苦労して優勝戦に勝ち進むことはできなかったが、それでもトライアル1stから見せ続けた強烈なコーナースピードが印象的だ。 年が明けた地元児島戦ではさっそくの新春V。強豪がそろっていた中で改めて実力を誇示する圧巻のレース運びで、2018年一発目を最高の形で滑り出した。 果たして、今年はどんなドラマを演出してくれるのか-。 インで2着に負けた昨年7月の64周年の借りを返すためにもクラシックは力ずくで獲りにいく。
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毒島 誠

勝負師と勇者の条件を兼ね備えた爽快な男

勝負師の条件のひとつに『記憶力』がある。 一流のキャッチャーはゲーム後、スコアブックなしに配球を完全に振り返ることができる。 将棋界における棋譜の記憶も同様だ。 ボートレース界では毒島誠選手がその体現者。 デビュー当時から、一戦毎に調整やレース内容をメモし続けた。 いちいちすべてを見直しているわけではないんです。書くことで頭に残るんで…」と謙遜するが、記録の中には『振り返りたくないこと』も含まれる。 失敗の記憶を含めた戦歴はこうして心に刻まれ、反骨精神や探求心が培われたのではないだろうか。妥協すれば成長はとまる。 スイスイ流れる者に努力とか根性は無縁。嫌なことに向き合い、苦しむことを受け入れるのが『勇者の条件』。 だからこそ、『爽快さ』を失わない毒島選手の存在は大きい。

2014年からSGフル参戦中のSGの顔役

キャリア14年で全国24場制覇へ残すは江戸川だけ。2016年の徳山周年では大外からの優勝もある。 いつでもどこでも強い。弱点のなさが毒島の強さの秘密。 今やSGでも顔役。SG初出場は2010年のオールスターだが、2012年までの3年間でSG出場は7回だけ。 2013年はグラチャン以外のSGに全て出場し、2014年以降は1回も休むことなく年間8回のSGにフル出場。 グランプリ出場を逃したのも2016年だけだ。 昨年は下関チャレンジカップで予選トップからの王道優勝を果たしSG2勝目。 グランプリも1stステージからの出場ながらファイナルまで進出した。 クラシックの舞台、浜名湖は2010年の新鋭王座でG1初優勝した思い出の水面。 今回も文句なしにV候補に名前が挙がる。

負けられぬ…関東新二枚看板・毒島誠

若手記念ランナーで最も復調して欲しい選手に力が戻ってきた…毒島誠。 一昨年の後半から一時期は記念域での機力出し負けが顕著で、自慢のスピードターンも旋回負荷に脚力が耐え切れず艇が暴れるシーンが多かった。 そんな状況で迎えた昨年9月多摩川周年ではモータースペック以上の脚力に仕上げて「今後につながるいい調整ができた」と笑顔も見せてのファイナル入り。 そして11月下関チャレンジカップではパワー機の力を確実に引き出して、うれしい自身2度目のSG優勝を飾った。 ただ新関東二枚看板のもう一方、桐生順平はひと足先に昨年、グランプリ覇者に輝いた。 生来の負けず嫌い、今年は目前のSG…その先も見据えて気合を再注入してくるはずだ。

旺盛なチャレンジ精神で多彩な芸を発揮!

アグレッシブさでは群を抜く毒島誠は、公私ともキラッキラに光っている。 約1600人のボートレーサーで“リア充選手権"を開催したのなら、間違いなくドリーム戦に選ばれるだろう。そして優勝も。 2017年を振り返ってみると“公”では4年3カ月ぶりにSGを優勝。2個目のビッグタイトルを手にした。 “私”では、念願のキハダマグロを釣り上げ、トライアスロンにも挑戦。好タイムで完走した。 まさに静と動、対極なことを笑顔で難なく成し遂げる。 多彩な一面は本業であるボートレースでも存分に発揮。代名詞の超速ターンに加えて、スーパーピット離れで揺さぶりをかける。 ありのままの姿が個性となって輝いている。

SGV3へ真っ向勝負 好相性の浜名湖で毒島が燃える

昨年の下関チャレンジカップを〝王道〟で優勝。 2013年のメモリアル以来、2つめのSGタイトルを手にした毒島はその勢いでグランプリも優勝戦(5着)まで駒を進めた。 シード組が操るオレンジモーターに対し、決して素性がいいとは言えない64号機。 トライアル1stからのファイナル進出は〝隠れエース〟39号機とコンビを組む菊地孝平(4着)と2人だけだったから評価に値する。 そんな経験を〝宝〟のひとつとして胸に刻み、新しい2018年はさらなる進化を遂げてもらいたい。 浜名湖は新鋭王座決定戦を制し、SG初出場(オールスター)も果たした思い出のいっぱい詰まったレース場だ。一発目から勝負をかけていく。
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羽野 直也

素直さが武器の爽快な若者!

誰に聞いても「応援したくなる」と言われる若者がいます。「素直で感じがいいし、それがレースに表れている」という統一見解の対象は羽野直也選手。 今年10月の大村65周年を制し、浜名湖クラシックの出場権を獲得しました。 初のG1本格参戦の舞台がその浜名湖。周年出場を祝いファンが新調してくれたピカピカの横断幕を1マーク先に発見し「うれしい!」とニコニコ顔だったのは7月のこと。 9月の蒲郡ヤングダービーでは準優で惜敗しましたが、直後の大村で開花。インの原田幸哉選手に対し先行してマクリかけたものの、抵抗されるとみるや差しに転換。 バックでつかまえ栄冠を手にしました。頑なにならず、素直に作戦を切り替えた結果でした。 先のグランプリシリーズ戦でもSG水神祭を飾りステージアップした若人が横断幕を力に浜名湖を闊歩(かっぽ)しそうです。

平成生まれ初のG1覇者は近年まれに見る逸材

2017年の最優秀新人のタイトル争いは久々に見応えがあった。まず115期の仲谷颯仁がブレイクし、それを1期先輩の羽野が追う展開は、26年前の1991年の服部幸男と松井繁の激闘を思い起こさせるレベル。 羽野の大村周年優勝で事実上ケリはついたが、「仲谷君がいたから、自分も頑張れた」と語っているように、強力なライバルの存在が羽野をさらに成長させた。 とはいえ羽野は突然ブレイクしたわけではない。 センス抜群のハンドルワークと、本人がもっとも意識しているスタートダッシュで九州では早くから将来を大いに期待されていた逸材。G1出場4節目にしての初優出、初優勝程度で驚いてはいけない。 なぜなら、SGという大舞台でも、あっという間に大仕事をやってのけるはずなので。

平成生まれの旗手へ…羽野直也

最近のボート界、選手間では「最近の若手はガッついた感じがなくて」…という若者達への物足りなさを感じるベテラン選手達の声を良く聞く。 そんな中で、今年は待望の若手スターの台頭がファンを喜ばせたのではないだろうか。 年末GPではニュージェネの代表格である桐生順平が優勝を果たし夢の賞金王に。 そして、この羽野直也もまた10月の大村周年で弱冠22歳、平成生まれ初の記念ウイナーに輝いた。またこれがフロックでないことを示すように12月頭の芦屋周年では実に惜しい内容での準優勝も果たしている。 今年夏場に少しだけ取材した時の印象では、優しげな風貌だが取材受け応えには聡明さや勝負へのストイックさを感じさせた。 優しさと芯の強さ、この二つを併せ持つ平成の変革期の旗手へとなっていけるのか。今後の走りに注目したい若者だ。

平成生まれのG1ウイナーは陸の上でも魅了!

2017年のボート界も熱く激しいバトルが繰り広げられたが、一番センセーションな話題と言えば、10月7日に羽野直也が大村周年を優勝したことだろう。 デビューからわずか3年5か月、平成生まれの22歳が2コース差しでG1初制覇を成し遂げた。 羽野を初めて目の当たりにしたのは直前のヤングダービー。 ライバルと目される仲谷颯仁と同じく蒲郡は初登場だったこともあり、どんなレースを見せてくれるのか!? ワクワクしながら取材したのをハッキリと覚えている。 そして、レースっぷりもさることながら、陸(おか)の上でも魅了する。 しっかりとした受け答えと考え方はとても22歳とは思えない。「師匠(別府正幸)からは『ただ強くなるだけでなく、人としても成長するように』と言われています」。 次なるターゲットはSG初タイトルだ。

平成生まれのG1ウイナー羽野が次代のエース!

2017年は羽野にとって〝激動〟の1年となった。最も印象的なのはやはり大村65周年だ。 エース機とコンビを組むアドバンテージがあったとはいえ、しっかりとパワーを引き出しての優勝。 〝平成生まれの初のG1タイトルホルダー誕生-〟と、スポーツ各紙をにぎわした。 それがフロックでないことを証明するかのように、のちの芦屋65周年でも優出(2着)。 SG初出場を果たしたグランプリシリーズ戦では4日目に早々と水神祭を飾るなど、とにかく近況の充実ぶりには目を見張るものがある。 住之江ピットでは取材する機会にも恵まれたが、「来年(2018年)はGP出場を目指します!」とも言ってくれた。 確定的となった2017年の最優秀新人賞。無限の可能性を秘めたスーパールーキーから目が離せない。
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小野 生奈

トップレーサーとして名を刻む!

今から7~8年前、JLC専属解説者の佐藤正子さんが『この子はうまくなる!』と唸った選手がいます。デビュー1年ほど経った小野生奈選手です。 ボートレース福岡での旋回練習をスタンドから見ていた時のことでした。『課題をもって取り組んでいますね…』と語っていましたが、その後の活躍は予感通り。男子の上位にも負けない存在にまで登りつめました。 女子として単身参戦した11月の下関チャレンジカップ初日6R、あの松井繁選手を相手に見せた激しい4着競りは圧巻でした。 『王者といえども、絶対に引かない構え』に、熱い闘志と強烈な意志を感じさせたものです。 小野生奈…。その名はボートレース界のトップレーサーとして永く刻まれる予感がします。

劣等生から努力一本で上り詰めたシンデレラ

「努力は必ず報われる」という言葉がある。それを地で行くのが小野生奈。訓練生時代は勝率ブービーの劣等生。水神祭にも1年半を費やした。 しかし、先日けがで引退を余儀なくされた吉田弘文さんに師事し、まず減量に取り組んで練習に明け暮れる日々。 さらにプロペラ調整だけでなく、本体整備にも積極的に取り組むようになった。 そんな努力が実って、今や文句なしの女子トップレーサーの一人に。すでにSG出場は8回を数えるが、今年は5月のオールスターで女子初の3連勝、7月のオーシャンカップでは準優で一時2着を走るなど、SG優出目前の活躍を見せた。 平山智加が不在の今、女子でもっとも「SG制覇の夢」に近い存在…と言っても過言ではないだろう。

全速に華あり…小野生奈

今年は原稿時点(12/14)で4千万オーバーの女子ナンバー1賞金も稼ぎあげ、大願のレディースチャンピオン優勝、女子から唯一人SGチャレンジカップ出場とまさにキャリアハイのスコアをたたき出している小野生奈。 そのチャレンジカップでは3日目に無念のFに散ったが、福岡オールスターは予選3勝で準優4着、丸亀オーシャンカップもまとめる走りで準優3着と、ファイナルへの扉はすでにノックしている状態だ。 とにかく男子一線級相手に、一つも握り負けない度胸とスピード感覚は現在の女子選手の中でも間違いなく屈指の存在だろう。 寺田千恵、横西奏恵に続くSGファイナリストに名を連ねる日もそう遠くはないはずだ。 来年クラッシックは浜名湖…、広々とした水面で大胆に舞う姿にまずは期待したい。

SG経験を積みファイナリストも夢ではない

やまと学校(現ボートレーサー養成所)卒業時に目標を「レディースチャンピン優勝」と掲げ、夢は「SG出場」と書いた。 どちらも叶えた小野だが、ここまでの道のりは険しかった。 やまと勝率は後ろから2番目、デビューしてからはもっと厳しく勝率は1.35、1.52と6着ばかりだった。 必死の練習を重ねるが、水神祭を挙げるまでには時間を要した。 デビュー4期目、179走目でのトップゴールだった。あれから7年―。2017年はSGに4度出場して2度の予選突破を果たした。 また、オーシャンカップでは“あわや"のシーンを演出。SGファイナリストに名を連ねる日も遠くないだろう。 今後も目標と夢をどんどん更新して行く。

地元で手にした大きな勲章。
それに恥じない活躍を期待したい

日々の努力を惜しまず、そして笑顔を絶やさない。誰からも愛される人柄…。 そんな小野だからこそ、応援するファンはたくさんいることだろう。 また、それに応えるように彼女は着実に成長し、結果を出してきた。 来年1月からの適用勝率は自身3回目の〝大台〟となる7.18。 この数字こそが現在の充実ぶりを如実に物語っている。 芦屋のレディースチャンピオンでは圧巻の走りで念願のG1タイトルもゲット。 慣れ親しんだ地元での優勝は喜びとともに今後へのさらなる〝起爆剤〟になったのは間違いない。 自分を信じ、冷静かつ強気な攻め。これから幾度となく訪れるだろうビッグ戦線でぜひ見せつけてほしい。 待ち遠しい来春の浜名湖クラシック。男子相手でも女王の地力が侮れない。
2018.05.18

2018.05.04

2018.04.23

2018.04.20

2018.04.06

2018.03.22
浜名湖SG第53回ボートレースクラシックの「歴代5SG優勝者」「メダルホルダー 一覧」を更新いたしました。

2018.03.09

2018.03.02

2018.02.23

2018.02.16

2018.02.09

2018.02.02

2018.01.26

2018.01.19

2018.01.12

2018.01.05

2017.12.29

2017.12.25
住之江SG第32回THE GRAND PRIXの「歴代5SG優勝者」「メダルホルダー 一覧」を更新いたしました。

2017.12.22

2017.10.30
平和島SG第64回ボートレースダービーの「歴代5SG優勝者」「メダルホルダー 一覧」を更新いたしました。

2017.10.04

2017.08.28
若松SG第63回ボートレースメモリアルの「歴代5SG優勝者」「メダルホルダー 一覧」を更新いたしました。

2017.05.29
福岡SG第44回ボートレースオールスターの「歴代5SG優勝者」「メダルホルダー 一覧」を更新いたしました。

2017.03.21
児島SG第52回ボートレースクラシックの「歴代5SG優勝者」「メダルホルダー 一覧」を更新いたしました。

2016.12.26
住之江SG第31回THE GRAND PRIXの「歴代5SG優勝者」「メダルホルダー 一覧」を更新いたしました。

2016.10.31
福岡SG第63回ボートレースダービーの「歴代5SG優勝者」「メダルホルダー 一覧」を更新いたしました。

2016.08.29
桐生SG第62回ボートレースメモリアルの「歴代5SG優勝者」「メダルホルダー 一覧」を更新いたしました。

2016.05.30
尼崎SG第43回ボートレースオールスターの「歴代5SG優勝者」「メダルホルダー 一覧」を更新いたしました。

2016.03.22
平和島SG第51回ボートレースクラシックの「歴代5SG優勝者」「メダルホルダー 一覧」を更新いたしました。

2016.03.08
GRANDE5特設サイトOPENしました。