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峰 竜太

身体で学ぶのが峰スタイル!

かつて、誰よりも大きな声でピットを闊歩(かっぽ)していた若者がいました。選手だけでなく競技関係者や報道関係者、さらに洗濯をしてくださるおばちゃんなど、とにかく相手構わず全員に「おはようございます!」「よろしくお願いします!」と朗らかな声を響き渡らせていたのです。 …峰竜太選手です。 やる前から相手との間合いを図ったり計算したりしない人間性は、そのままレーサーの資質となり現在につながっているように感じます。『身体で学ぶタイプ』だからです。 勝っても負けても出し惜しみしない生きざまは、SG優勝戦敗北後に見せたあの涙そのまま。自然と湧き起ってくる情熱の発露でしかありません。飾り気がないからこそ、ありのままだからこそ、応援したくなります。 ひたむきに研究し行動するのが『峰スタイル』。再びビッグタイトルを手にする日は近いでしょう。

3人しかいない賞金1位からの優勝に挑む

峰のグランプリ出場は今年で4回目。初出場の2011年から2年連続で出場し、2015年が3回目。今年は2年ぶりのひのき舞台となる。 過去3回はいずれも苦戦を強いられてまだ優出はなく、悔しい次点が2回。肝心な枠番抽選運は3、6号艇が2回、1、4、5号艇が1回ずつで良くも悪くもない印象。 ただ、峰の場合は今回がSG覇者になって初のグランプリ。かつてのプレッシャーに弱く泣き虫だったころとはもはや別人。 住之江では6月の周年を制し、さらに直前の芦屋周年も優勝と最高のリズムで乗り込んで来る。 賞金1位からの優勝は過去に野中和夫、植木通彦、山崎智也の3人だけしかいないが、今の峰なら賞金1位はなかなか優勝できないというジンクスも簡単に打ち破るかもしれない。

佐賀ガバイ旋風…今こそ好機・峰!

平和島ダービーでの優勝戦後、優勝者の深川真二以上に喜びを爆発させていた峰竜太の姿は、ファンや記者たちを微笑ましい気持ちにさせたものだ。 ファイナルで2コース を奪った深川を見て、峰は自らも同じ水面で戦う身ながら「真二さん、頑張れって思ってました」と笑顔でのレース後談話。 新聞記者側としては、誤解を招かないように忖度(そんたく)した伝え方を求められるせりふではあったが、いかにも峰らしい優しさの伝わる、そして佐賀支部のムードの良さも感じさせるコメントではなかっただろうか。 峰のオーシャンCに続いて、佐賀支部勢は深川真二もSG初優勝。 三井所尊春は多摩川でG1初優勝。若手ホープの山田康二もチャレンジCでSG初優出と、まさに佐賀ガバイ旋風が吹き荒れている今。 峰自身も12月にもう一丁芦屋でG1Vを加えて勢いは文句なし、最後にもう一つの大仕事へ。

新世代の最高傑作がいざ頂点獲りへ!

ニュージェネレーション―。峰竜太にピッタリの言葉だ。勝負の世界はトップに立つと同時に孤独との闘いが始まる。 特にボートレーサーはそんな傾向が強かった。 ところが、峰には全く当てはまらない。「記者さんたちはお父さんのような感じで接しています」と発言。 あまりにも突拍子もないフレーズに面を食らったが、ボートレースに携わる全ての人々を愛している。 それはファンや記者に対してのリップサービスのみならず、対戦相手にもアドバイスを惜しみなく贈る。 その一部分だけを見れば、敵に塩を送っているように映るが、実は同時に相手の弱点も知り得ることができる。 意図してやってきたことではないかもしれないが、その積み重ねが第一人者にまで成長した原動力なのだろう。

頂点を目指す峰。千載一遇のチャンスをモノにする!

昨年は2年連続で最高勝率選手に輝き、前期(来年1月から適用)は自身3回目の全国勝率№1。 もともと、峰の素質はボート界でも屈指といえる存在だが、今年は何よりオーシャンカップでの悲願達成が大きかった。 タイトルに届きそうで届かないジレンマを払拭(ふっしょく)するSG11回目の優出での戴冠。自信につながったのは間違いないだろう。 あれから5カ月余。直前の芦屋65周年ではGPに弾みをつけるタイトル連覇。再び存在感を示したとあれば、今度は頂点を目指すのみだ。 獲得賞金ランクは石野貴之を抜いて堂々のトップ。トライアル2ndは1枠での登場で2連率上位のオレンジモーターをパートナーにできる、この上ない好条件もそろっている。 相性抜群の住之江で2017年を締めくくる。
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石野 貴之

全人的素養を持ちあわせた勇者

高校時代、野球をやっていたSGレーサーは多い。ひとつのことに打ち込む情熱と忍耐力が厳しい勝負の世界で役に立っているのだ。 石野貴之の場合、強豪校のキャプテンまで務めたという大きな付録がついている。いや、むしろ付録の価値の方が高いのかもしれない。 野球選手としては小兵でありながら、何かしらの武器を身につけ勝負に持ち込もうとする発想力と胆力は、現在の『限界を知らない多彩な調整ノウハウ』に通じている。 また、キャプテンとしての視野の広さと責任感は『プロの世界が成り立っている根拠への眼差し』につながっている。 つまり『ボートレーサーは如何にあるべきか』を問うているのだ。 グランプリは、レース力だけでなく、そうした『全人的素養』を持ちあわせた者にこそふさわしい。 石野貴之はそれに該当している。

グランプリは4回出場し全て優出と実績抜群

石野のグランプリ出場は過去4回。SG初優勝の2010年が初出場で、3年のブランクを経て2014年から3年連続で出場中。 出場した4回は全て優勝戦まで駒を進めている。グランプリでは枠番抽選が結果を大きく左右する傾向があるが、石野の抽選運は決していい方ではない。 過去4回の出場で10回抽選し、3号艇の4回はいいとして6号艇が3回もある。1、2、4号艇は各1回ずつ。5号艇はなし。 さすがの石野も6号艇の3回は3連単に絡めていないが、それでいて4回全て優出しているのはさすがと言える。 今回はセカンドステージの1号艇からスタートして抽選は2回。そのどちらかで1号艇を引ければ、優勝戦の1号艇、すなわち初のグランプリ制覇がグッと近づきそう。

試される底力…石野貴之

今年の石野の戦績を振り返ると、福岡オールスターから鳴門GCへの連覇がまずは大金星として輝く。 カタにはまった時の圧倒的な強さで、序盤からぶれぬレース精度とパワーで射止めたこの両SGの走りは『今一番SGに強い男!』の呼び名を、なるほどとうなずかせる内容だった。 ただこの後、夏場の戦績がやや振るわず18年前期適用の勝率では7.03と、危うく6年ぶりに6点台へと転落してしまいそうな内容。 調整面がはまらぬと糸が切れたような大敗が続いてしまうという課題が見えた。 またこの時期に走った住之江地元戦はお盆シリーズで準優5着敗退、続く9月のG1高松宮記念では初戦Fという良くない流れ。 このF休みに入る前の11月・蒲郡DC優勝は大きく自らのリズム修正を施した一戦ではあったが…。 休み明け2節目で挑む頂上決戦の舞台、このステージのさばきに今の石野の底力が試される。

可能な限りの好条件を整え初の金冠奪取だ!

石野貴之の成長力に脱帽だ。前回のダービー特集時に触れさせていただいたが、石野はSG・G1レースを関東や東海地区で勝っていなかった。 加えて、G1以上の優勝戦を1号艇で迎えたのは6月までに10回。その内、敗れた3度は、蒲郡周年、戸田周年、桐生メモリアルだった。 そんなジンクスを11月初旬の蒲郡ダイヤモンドカップで撃破。「(1号艇で負けた)2年前よりも成長することができています」と力強く答えた。 同時に記者陣からはグランプリの話題も飛び出したが、「それはまだ先の話ですね」と質問を制止。 最終的に2位以内をキープすることができるかどうかを焦点にしているようだった。 そして、フライング休み中に2ndステージの絶好枠が確定。グランプリは最も抽選に左右されるSGだが、可能な限りの好条件は全て手に入れた。 万全の態勢で迎える地元グランプリは誰にも主役の座は渡さない―。

今年こそ頂点へ、石野が最強の称号を手にする!

飛ぶ鳥を落とす勢いで進化し続ける石野が〝最強の主役〟といっても過言ではないだろう。 昨年のSGV2に続き、今年もオールスター、グラチャンのビッグタイトルを制覇。ともに〝王道〟での戴冠で史上15人目となるSG連続Vだから驚異的だ。 11月の蒲郡ダイヤモンドカップではグランプリに弾みをつけるこれまた王道でのG1V6と、改めて存在感をアピールした。 その天井知らずの強さは同じ大阪支部からGPに出場する松井繁、田中信一郎も認めるだけに期待の大きさは計り知れない。 今回で4年連続5回目の出場。初出場の2010年からの4大会の全てを優勝戦まで勝ち進んで準優勝2回。 大願成就へ、いやが上にもムードは高まってきた。
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白井 英治

品の良さと豪胆さの融合がカタチに!

「何かいいのをつけてください」。15年ほど前、白井英治選手から頼まれたのはレーサーネーム。 師匠の今村豊選手は、プリンスに始まりミスターボートレース、そして現在はレジェンドと称されています。 熟考の3カ月を経た結論は『ホワイトシャーク』。 色白の顔立ち通り静かに燃える闘志と、ライバルをひと飲みにする豪快なレーススタイルに導かれたのです。 2017年はすべてのSGに参戦し優出2回。栄冠にはあと一歩及ばずながら、下関周年Vなどの実績を背景にランキング4位。20年選手となった今、欠点でもあり魅力でもあった浮き沈みは消えてなくなり、『内容の濃いカッコいいレースをしたい』という姿勢で貫かれています。 『品の良さと豪胆さの両立』は、ホワイトシャークに込めた願いでもあり、黄金のヘルメットを戴くにふさわしい人物のカタチでもあります。

近況充実!SG2勝目も目前の雰囲気あり

誰もが待ちに待ったSG初優勝からすでに3年以上の歳月が流れた。 「1回勝てば、何回でも勝てるよ」と師匠の今村豊は予言したが、初優勝以降、SGでは5回の優出があるものの、2回目の優勝にはなかなか手が届かない。 しかし、今年の充実度は目を見張るものがある。SGで2回、G1で8回の優出。 優勝は地元下関のG1だけだが、ボートレースメモリアルを含めて準優勝が4回。 賞金ランク上位はその年のSG覇者で独占するものだが、白井はSG優勝なしで4位に食い込んでいる。 グランプリでは4年前の平和島大会で完全Vに王手をかけながら、茅原悠紀に敗れた悔しい思い出がある。 近況の勢いから今年こそ、その時のリベンジを果たす可能性は非常に高い気がする。

減量が生む好サイクル…白井英治

白井英治にピット取材で話しかけると、ボートレース選手の取材ではめったに感じない、少々見上げるような 感覚になる。 スラリとした体格に割とガッチリした肩幅、髪型やレーシングブーツも手伝ってか、公表されている173cmよりは大分高く感じる。 この身長で51キロ付近をキープして走っている現在。 「今年は体重を絞れているから体調もいいし、エンジンも出てくれる。 これをキープしていきたいね」と、体の切れが走りの切れに、リズムの良さが精神面の安定にもつながる、心技体そろった好循環にあるようだ。 記者も若い頃に選手を目指して減量をしたものだが、172cmで当時の制限体重の50キロへ落とす時、52~53キロが割と壁になって苦しんだ記憶がある。 それだけにわずかばかり白井の苦労は分かるような気がする。 76年生まれの同じジェネレーション、ささやかながら応援させてもらいたい。

自己研磨で造り上げた日本刀で金冠獲りだ!

身長173cmの適正体重は65.8kg。そんな数値にはほど遠く、極限までウエートを落としているのが白井英治だ。 「最後は自分との闘い」。どの世界でも共通するフレーズだが、究極の勝負になればなるほど、己に勝つことが求められる。 今夏のメモリアルから51kgで乗艇。ここからの3カ月間でSG戦2優出、G1戦4優出と抜群の安定感をみせている。 また、内容が素晴らしく、優勝戦の勝ち度数は【1・4・1・0】。4着以下が一度もなく、最も調子のいい選手だ。 2014年のSG初制覇は、コンマ00のタッチスタートで優勝。この時は「自分らしい」とリップサービスをしたが、今は「自分らしさ」の形が変わってきた。 かつての「諸刃の剣」から片刃の「日本刀」になり、もう自身を傷つけることはない。 今年の黄金のヘルメットは、誰よりも高い位置で輝く―。

エンジン全開の走りで悲願達成へ、白井が燃える!

あのときの悔しさを必ず晴らしたい。 2014年平和島グランプリで白井は3連勝の快進撃で優勝戦に進出。 インから逃げれば完全Vでの黄金ヘル奪取となったが、センター勢のまさかのゼロ台攻勢に遭い痛恨の3着。 夢はもろくも崩れ去った。これが俗に言う勝負の世界の厳しさなのだろう。 しかし、そんな苦い経験を〝力〟に変えてその後も存在感を示し続けてきた。 今年はG1で優出ラッシュ。 SGでも若松メモリアル(2着)、平和島ダービー(3着)でそれぞれ優出を果たし、獲得賞金ランクは堂々の4位(シード枠確定)だ。 オレンジモーター(2連対率上位機)が手にできる2ndステージからの登場となるだけに一層のこと期待は高まる。 いざ頂点へ、圧倒的なパフォーマンスを期待したい。
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深川 真二

男気あふれるレース『深川流』!

『男の中の男』…。深川真二選手にふさわしい言葉です。強さ・優しさ・正義感・ふところの深さ・朗らかさなど備えるべき限りない要素を当たり前のように持ちあわせています。 かつて、レースで負傷、それも骨折した深川選手が軽々とケンケンで移動している姿を見たことがありましたが、自らの痛みを顔に出さないところも人間の大きさを物語るもの。 朗らかさはそこからきていると言っても過言ではありません。 念願のSGタイトルをダービーで獲得しましたが、その戦いぶりも外連味(けれんみ)ない男気あふれるものでした。 相手を選ばない内志向の戦法は誰もが知るところですが、センター、特に3コースに入った時に迷わずまくりを打つことも把握しておきたいもの。 どこからいっても、『深川流』は見る者に憧れを感じさせます。

進入から沸かせる古き良き時代の生き残り

登録番号がひとつ違いの山崎智也がデビュー直後から異例のスピード出世で頂点に上り詰めたのとは対象的に、深川はG1制覇に17年、SG制覇には25年もの歳月がかかった遅咲き。 SG初優勝した10月平和島のボートレースダービーは意外にも今年まだ2回目のSG戦だったが、実は直前のSG若松ボートレースメモリアルで超抜エース機を手にしながら、2日目までに5着3本の成績で予選敗退。 3日目以降は5戦4勝の活躍だったが、この時の無念さが次のダービー制覇につながったと思う。 グランプリは初出場の選手にはレースをさせない独特の雰囲気があるものの、今年2回のSG戦で恐らく何かをつかんだ深川は進入で見せ場を作るだけの存在ではない。

見せるのは『ボートの醍醐味』だ!

「前付け」という言葉のニュアンスは、ピット離れで内コースを取る…というより、待機行動でモーターを噴かし、水面作戦で内コースを奪取する… そういう戦略を指してこそ使うものという印象が強い。深川真二のコース取りはまさにその『ザ・前付け』。 深川に「ピット離れはいかがですか? 」と質問すると、深川は普通とか、悪いとかを答えてくれた後、笑って「でも俺はピット離れは関係ないからね」と一言加える。 昔ながらのガチンコの進入バトル、洗練された現代のレース以上に『ボートの醍醐味を見せたい』…が職人肌・深川の男伊達でもあるのだろう。 今回の舞台は最高峰レース住之江グランプリ…しかし走る場の大小や見栄えには頓着がないタイプ、大舞台でも揺らぎはあるまい。 自らのスタンスを貫いて、大いに待機行動水面で暴れてくれそうだ。

強烈な個性のダービー王がGPでも大暴れだ

レースにスパイスを与える男、それが深川真二だ。上瀧和則選手会長から受け継いだ秘伝のタレは超激辛。 枠なり進入が全盛の現代だからこそ、個性が際立っている。 今秋、SGタイトルに手が届いたが、ここまでの道のりは険しかった。 SG初優出の2008年メモリアル(若松)は、6号艇から前付けを敢行して2コースを確保したが、スタートを決められず6着。 あれから9年が経ったダービー(平和島)では、2コース奪取から今度はトップショットを決めて差し切った。 流れに身を任せるのではなく、自らアクションを起こして勝利を呼び込んだ。 そんな深川だけに、いつも対戦相手にプレッシャーを掛ける。特にブラジルカラーでは容赦しない。 勝利へ最も近い1号艇の選手を「まな板の鯉」にする。

〝我が道〟を貫くGP初出場の深川に注目だ!

現代のボートレースは枠なりが主流だ。コーナーを全速で回ってスピードを競う攻防戦は迫力満点なのだが、パターン化した進入隊形ではスリルも半減してしまう。 やはりコースをかき乱す選手がいてこそ予想もレースも一層、おもしろいものになる。 だから、平和島ダービーで大金星を飾って勢いに乗る深川のような個性派レーサーのGP参戦(初)は非常に興味深い。 近年にはない進入になりそうなだけにゾクゾクする。 「峰はレースで。自分はいつもどおりに進入で沸かせたい」。 今年、同じくSGウイナーの仲間入りを果たした弟分の峰と一緒に優勝戦まで勝ち進めば、さらに盛り上がること間違いなしだろう。 〝我が道〟を貫く遅咲きのファイターから目が離せない。
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井口 佳典

プロの在り方を示し続ける本物のアスリート

『持続する高い緊張感』。井口佳典選手の心の姿を表すにふさわしい言葉です。 『戦う気持ちのつくり方には、オンオフを明確にする切り替え型もあれば、日常生活から一定以上の緊張感を保ち続ける持続型もあります』と箱根駅伝常連校の現監督から教えてもらいましたが、井口佳典は明らかに後者です。 研ぎ澄まされた闘志は、身を削る減量や周到な準備・堂々と戦わんとする気概が途切れなく練り上げられた結晶に他なりません。 そんな本物のアスリートが相手を思いやる優しき人物であるからこそ、気持ちが揺れます。肩が軋むほどの荷は重たくないのだろうか…と。 むろん、『持続する高い緊張感』がある限り歩き続けるのでしょう。生きざまを見せるためにプロは存在し、ファンはそれを期待し見届けることに喜びを感じる…と知っているからです。

屈指の勝負度胸は健在!住之江は相性も抜群

「(スタートは)ぶち込みます」。かつて優出インタビューで井口が必ず口にしていたコメント。 もちろんリップサービス込みの言葉ではあるが、実際にもスタートを行って攻めるのが井口のレーススタイル。 それでいて井口はFが少ない。最近も2015年1月のFを最後に、もう3年近くFを切っていない。 それでいてこの間もG1戦3勝、G2戦1勝をマーク。ただ、なぜかSG制覇からは5年以上も遠ざかってしまっている。 SGになると抽選運を含めてリズムが悪い状況が特に昨年は顕著だったが、今年はSGでも優出が2回とリズムは好転。 住之江はグランプリを含むSG戦2勝、G1戦2勝と相性抜群の水面でもあり、5年ぶりのSG制覇へ機は熟している。

キレキレS…超速攻派・井口がカムバック

今年の井口は2月の地元地区選手権から徳山MB大賞を連覇。最高の形で乗り込んだ児島クラシックで準優勝と素晴らしい滑り出しを見せている。 また春先は出足系の調整がフィットして、足回りの仕上がりも早い印象だった。 ただ夏場になって調整バランスが崩れ出すと、ややリズムダウンの風潮が見え出して、特別戦で大見出しに至る活躍は減った状況だ。 それでも今年は年間平均Sコンマ12と「スタートブチ込みます!」と、あの懐かしいフレーズも頭によぎる超速攻派の井口が戻ってきている印象は強い。 ちなみに住之江は08年のグランプリ制覇、そして09年シリーズ戦Vと相性が悪い訳もない。SG戦でのヒキには泣く近況だが…そろそろ運気の方も回復していい頃? 一つ歯車が噛み合えば、再び黄金メットへの道は開くはずだ。

最長の無事故期間を経て最強ネームが再冠へ

ボートレース界の最強ネームは誰!? シゲル、トモヤ、コージ、コウヘイ、リュータ…候補は次から次へと挙がるが、どうしたって「ヨシノリ」には敵わない。時代をグッと巻き戻すと、水上の魔術師と呼ばれた岡本義則(引退・SG戦3V・G1戦31V)をはじめ、カド取り名人の渡辺義則(引退・SG戦1V・G1戦4V)、SG3連覇の西島義則(SG戦7V・G1戦16V)らそうそうたるラインアップ。この中に加わり一歩もヒケを取らないのが井口佳典(SG戦5V・G1戦13V)だ。銀河系のエースストライカーとして活躍してきたが、スタートが主武器だったため常に危険とは隣り合わせ。2015年1月の2節連続Fで自身4度目のF2を経験。これを猛省して、その後は約3年近く無事故を貫いている。決して守りに入った訳ではなく、再び黄金のヘルメットを被るための戦略だ。グランプリは全ての面でスキルアップした姿を披露する絶好機だ。

住之江とは相性抜群の井口。GPV2へ総力戦だ

2006年の住之江・太閤賞でG1初制覇を成し遂げてから早いもので11年以上の歳月が流れた。 同期では真っ先に田村隆信が頭角を現したが、井口もすぐに追いつき気が付けばいまや〝銀河系〟の稼ぎ頭となりSG戦線の常連になった。 SG初Vは2008年の平和島オールスター。そして同年の住之江グランプリを制するなど、ここまで手にしたビッグタイトルは全部で5つ。 12年のオーシャンカップ(尼崎)を最後に快音を響かせずにいるのは意外だが、リズムに大きな狂いはない。 もちろん、豪快なスリット弾はいつでも繰り出せる態勢にあることだろう。 住之江は思い出がいっぱいつまったドル箱水面。エンジンさえ仕上がれば、またもや頂点に上り詰める可能性も十分だ。
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田中 信一郎

本命党も穴党も喜ばすトップレーサー!

確か、1998年だったと思います。太田和美選手が優勝した「住之江・グランプリ」のピットに幾人かのスーツ姿の選手がいました。 支部活動の一環で関係者にあいさつに来ていたのです。そのひとり、田中信一郎選手の顔を忘れることができません。 当時26歳。笑顔の奥の眼光は鋭く、『オレもいつかここに立つ!』という気概に満ちていました。 翌年のグランプリ初出場は決意と意志がもたらしたと断言できます。 そんな田中選手を頼もしく感じているファンが多いのは当然。 休むことなく試運転や調整を行い、機力向上をあきらめないからです。 本命党も穴党も喜ばすトップレーサーは稀有(けう)な存在です。 今年は優勝5回も記念Vはなし。それでもトライアル圏内にいるのは一戦一戦の積み上げがあるから。 『ボートレース界の華』が水上で輝きを増す舞台が近づいています。

王者をもしのぐ住之江実績!あるぞ復活V

今年で32回目を迎えるグランプリで優勝3回を誇るのは野中和夫、植木通彦、松井繁、田中信一郎の4人だけ。 田中は2001年からわずか4年間で優勝3回の固め打ち。舞台はいずれも地元住之江。 いつでもどこでも強いイメージがある選手だが、実は地元水面への思い入れは誰よりも強く、SG5勝のうち4勝、G1戦15勝のうち8勝は住之江水面。 これは住之江でSG3勝、G1戦7勝の松井をもしのぐ実績だ。 一時の低迷期を乗り越え、さらに峰竜太とともにSGの準優でFを切った試練も克服して、今年は好調をキープ。 SG制覇そのものから9年も遠ざかっているが、今年もグランプリの舞台は住之江とあって、復活優勝の楽しみは十分にある。

蘇る浪速の金狼!!田中信一郎

浪速の金狼…。 01年の第16回大会から続く住之江での賞金王決定戦4開催は、田中信一郎をまさにそう称していい黄金期だったのは間違いない。 16回大会を1枠イン戦で制し賞金王初戴冠。続く17回大会は植木通彦の先着を許し準Vに甘んじたが、続く18回大会からタイトル連覇。 三たび黄金のヘルメットを頭上に頂いた。 この頃の田中は仕掛けの切れ味、加えアウト水域でもダイナミックな旋回軌道から繰り出すまくり差しを併せ持ち、無双の機動力、枠不問の怖さを身に帯びていた。 あれから十余年の時が過ぎた。若かりし頃のイケイケモードという時は確かに過ぎたかもしれない。 しかし今の田中には円熟した捌きと、キャリアに裏打ちされた精神力がある。激しさと勢いではない、したたかに…そしてタフな走りで『蘇る金狼』の見出しを躍らせて欲しい。

華のある芸術ターンでGP4冠を目指す!

どんな世界にも“華の○○期"は存在する。また、更新されたりもするのだが、ボートレース界では69期がその座を譲らない。 リーダー格が田中信一郎だ。強い責任感を持ち大阪支部長を務めている。 同時にレースでは芸術的なターンで魅了。旋回半径が極限にまで小さく、それでいてスピーディーなのが特徴だ。 グランプリ3冠をはじめSG5勝、G1は15優勝を挙げているが、初めてG1タイトルを手にするまでには時間を要した。 なんと同期で8番目。この層の厚さが華の69期と呼ばれるゆえんなのだろう。 田中は前検作業に誰よりも早く取り組み、誰よりも早くボートを下ろす。静寂の水面を“動"に変える瞬間だ。 前人未到のグランプリ4冠へ、戦いのゴングを鳴らす。

グランプリ最多Vに燃える田中。注目度はMAX!

卓越した調整力と冷静沈着なレース運びで星を増やし、決して期待を裏切らない。 舟券を購入するファンにしてみれば田中ほど頼りになるレーサーはいないだろう。特に地元戦での安定感は抜群だ。 実際、これまでのSG優勝5回のうち、4回は住之江(GPV3、GPシリーズV1)での戴冠だった。 GPタイトルV3は現役では松井繁と並び史上最多勝利タイの実績を誇る。 また、G1戦に関してもV15のうち、V8は住之江で飾ったものだから、その強さがわかる。 だからこそ2年ぶりの参戦となる今年はおもしろい。 〝ミスター賞金王〟と言われてきた男が前代未聞のグランプリV4の金字塔を打ち立てるべく、気合十分に攻勢をかけていく。
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中田 竜太

気配を消し、さりげなく勝つ若者!

『今の若者には個性がない』。ボートレース界に限らずよく言われることです。 しかし、若者に個性がないのは当たり前。人は、年齢を重ねた分だけ人生の色合いが深く濃くなっていくもの。失敗も成功も悲喜こもごも織り交ざって個性が醸成されていくのです。中田竜太選手を見ているとつくづく感じます。「若者らしい若者だ」と。 オンリーワンの強烈な戦法はありませんが、淡麗なふるまいやセンスの良さが将来どう変貌を遂げるのか、とても楽しみなヤングダービーチャンプです。 インタビューにあたって使う言葉も態度も常に一定で好感がもてますが、相手に威圧感を感じさせない雰囲気は水上でも優位に働くでしょう。『気配を消す』ことができるからです。『さりげなく勝つ』。これが中田選手の魅力です。

桐生に続く、いずれ天下を狙える埼玉の逸材

加藤峻二という偉大なスターを排出した埼玉支部。今世紀も池上裕次、平石和男、滝沢芳行、西村勝、中澤和志と5人のSG覇者が誕生。そして今、桐生順平という天下を狙える逸材が出現し、埼玉支部の若手は目の色が変わってきた。中田竜太は言うまでもなく、桐生を追う一番手。4月の丸亀周年制覇でブレイクし、9月蒲郡のヤングダービーでG1戦2勝目をマーク。一気にグランプリ初出場を決めそうな勢いで、師匠の須藤博倫も「自分より先にグランプリに行きそうですね」と弟子の快挙に目を細める。SG出場はまだ8回、予選突破も2回だけでまずはSG初優出を目指す挑戦者。グランプリは初出場の選手には厳しいレースだが、失う物は何もない。

童顔…だが豪胆! 埼玉の昇竜・中田竜太

記者は戸田担当で8年ほど仕事をしているので、中田選手のデビュー節も間近で見ていた訳だが…。09年5月のデビュー節は、当時のメーカー1号機を引き当てて、3日目に大外からイン中岡正彦をまくり撃破して水神祭を達成している。失礼ながら少し落ち着きがない?イメージはあったが、この頃から割合と何事にもケロリとした様子で挑んで、いい意味で緊張感のないタイプだなというイメージがあった…。あれから8年あまり、その中田選手がGP出場当確圏内というのだから時の流れを感じる。ペラ調整の精度と、ファニーフェイスからは信じられないような豪胆な攻めのレースが中田の持ち味。そして、かつてと変わらず無駄な緊張感がない自然体な所が中田のいい部分だ。SGとて気負わずに挑めるその胆力、あっさりGP制覇があっても不思議はない男だ。

宝物を得た住之江で真のリベンジを果たす!

2017年も残り2カ月を切り、マネーバトルは佳境を迎えた。 同時に各賞レースの候補者が絞られてきたが、もし「今年最もブレイクした選手」の項目があれば、躊躇(ちゅうちょ)することなく「中田竜太」と記名する。G1戦2勝、そしてグランプリの参戦権も得た。 ヤングダービーは選考勝率1位、丸亀周年に続く優勝だけに、終わってみれば感はあったが、過程は自問自答を繰り返してたどり着いた。ヤングダービー直前節の高松宮記念(住之江)準優では、道中2番手追走も峰竜太にさばかれて後退。屈辱を味わった。敗因を突き詰め、何が足りないかを見つめ直した。 「自信を持って臨む」。これを信念に貫き勲章を増やした。 悔しい気持ちは宝物―。真の雪辱は暮れの住之江で果たす。

静から動へ、大いなる野望を胸にミラクルを

ハッピーな年をさらに輝かしいものに。4月のまるがめ65周年で中田は29歳のバースデーを自ら祝う圧倒的な走りでG1初タイトルをゲットした。そして5カ月後、今度は〝ラストチャンス〟の蒲郡ヤングダービーでG1V2を達成。準優でインが全滅するラッキーはあったにせよ、巡ってきた1枠のチャンスを逃さなかった。 まるがめのときもそうだが、とにかくプレッシャーに動じず冷静に立ち回れるところが素晴らしい。一流レーサーに共通する高い資質、強いメンタルの両方を彼は持っている。一躍、脚光を浴びて夢にまで見たグランプリへの挑戦。「目標はSGタイトル」と掲げる新勢力がもしかしたらミラクルを起こすかもしれない。
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桐生 順平

ごまかしのない真っ向勝負の男!

2011年5月の尼崎オールスターが桐生順平選手のSGデビュー。以来、わずか6年半で41回もSGに参戦、優勝2回(2015年&2017年クラシック)とまさに時代の寵児です。 しかし、その背景に『鋼の精神力』があることを忘れてはなりません。手ごわい記念常連組の壁を破るため、逃げることなく挑戦し続けてきました。2013年前後、王者・松井繁選手に対し幾度も強気の全速戦を繰り出してきた光景が目に焼きついています。それは、「ここを越えねば道は開かれぬ」と自分に言い聞かせているかのようでした。 取材に対し「前検日は機力について答えられる材料が少なくて…。分かれば話します」と伝えてくれたことがありましたが、『ごまかしのない人物』だと感じました。 潔い真っ向勝負が見る者のハートを動かす桐生選手。悲願達成はそう遠くないはずです。

得意の冬場を迎え、不振の夏場から巻き返す

意外に思われるかもしれないが、桐生には決定的な弱点がある。それは夏場を苦手にしていること。「夏はペラが分からない」という言葉を本人からも聞いたことがあるが、現にSG2勝はどちらも3月のクラシック。 G1戦5勝も明らかに格上のヤングダービー(9月)を除けば、11月から5月に集中している。今年の夏場は特に苦戦を強いられており、SG、G1戦線では5月のオールスターを最後に優出がない。 逆に言えば、これから桐生の季節を迎える。過去5回出場しているチャレンジカップは優出こそないが予選突破は4回と決して相性は悪くない。 下関は過去3回しか走っていない点が不安材料だが、得意の冬場を迎えて本格化するのは間違いない。

冬到来…蘇るかミラクルターン

1月末の戸田周年制覇から、3月は児島クラシックVで2度目のSG戴冠。春先の桐生順平はまさに敵なし、いったいどれだけ今年は勝ちまくるのかと思われたのだが…。夏場になって機出しの面に課題が見え出して、もう一つその後の勢いが出てこなかった。 「自分はいつも夏場の方がゲージもなくて調子が良くないのは分かってたけど…。今は自分のターンがダメだって、訓練生みたいなターンをしているってのが分かる感じ」と、苦しい現状を語ってくれたこともある。 いつも「自分がいるから今節はレースを見に行こう、そう思わせるようなターンがしたい」と口にしている桐生にとってはフラストレーションがたまる季節だったに違いない。 来年以降に課題は残したが、ただ苦手の夏場は過ぎ去った。寒気と共によみがえるのは、熱きミラクルターンと期待したい!

ボートレースの申し子に得意の季節が到来!

常に周囲の期待を集める男だ。桐生順平はデビュー当時から抜群のターンセンスで魅了。瞬く間にファンが増えていった。 2011年、わずか4年でオールスターに初選出。この時点で優勝歴はなかったものの、未知の可能性を誰もが信じていた。 あれから6年間が経ち、すっかりボート界の代表選手になった。当時はターン力に頼るレーススタイルだったが、モーター出し、スタートの精度をグッと高めた。そしてメンタルも。 次なる課題は季節によって好不調をなくすことか。常に活躍しているイメージだが、良績は冬から春に集中。 9度のSGファイナルは、クラシック2冠をはじめ、グランプリ&シリーズが3回、オールスターが4回、グラチャン~チャレンジカップまでの間には優出歴が一度もない。 ただ、ウラを返せば、これからは桐生の季節が到来。あの猛烈ターンで席巻する。

新時代の高速ターンでボート界の頂点を目指す

小さな体から繰り出す驚異の運動神経と天性の勝負勘。これまで幾度となく見せてきた桐生のスーパーターンは見る側に興奮と感動を与えた。 いまやボート界のさらなる発展を担うまさに申し子ともいえる存在だろう。 今年は地元の戸田60周年でG1V5を飾り、児島クラシックでは文句なしの〝王道〟でSGV2を達成。獲得賞金ランキングでも堂々の3位につける。 だが、もちろんこれらは序章にしか過ぎない。最高峰のグランプリ出場(今回で4年連続。昨年は初のGP優勝戦で5着)キップをつかんだからには胸の内はただ一つだ。 〝クラシック男〟が今度は暮れの住之江制圧へ。ニュージェネレーション旋風を加速させるために最先端の走りで覚醒する。
2017.12.15

2017.12.08

2017.12.07

2017.12.01

2017.11.24

2017.11.17

2017.11.10

2017.11.03

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2017.10.04

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2016.12.26
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2016.03.08
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